2013年最初に羽化した本土ヒラタクワガタ(福岡県福津市産)の大型個体です。
アゴが短く横幅がありガッチリとしてカッコいいので紹介してみました。
未だ上翅が赤くて柔らかいのでノギスを当てて正確に測れませんが、大きさ的に画像の個体は68ミリ〜69ミリだと思います。
昨年の初夏に採集した天然のメスから産まれた幼虫を育てました。
北部九州産のヒラタは、アゴが長くて細いと思われがちですが子供の頃から何十年も採集に出掛けて数え切れないほど見掛けていますが、極端に細い物を発見した事が有りません。
なのでアゴの形状や体型は、完全に環境や固体差のレベルだと思います。
因みに飼育下では、幼虫のエサの種類や質、気温などの環境要因等々によって形が変わって来るのも事実です。
経験上、本土ヒラタは、マット飼育のみだと幅が出ない代わりに縦長になる傾向があります。
逆に菌糸ビンを終齢の中期〜終期(体が黄色みを帯び始める頃)まで与えると横幅と重量感があるオスが羽化しやすいです。
※上記の説明は、あくまでも確率論であり、個体差や飼育環境で結果が異なる事もあります。
因みに写真の個体は、冬場18〜22℃の範囲内の温度管理で育ててます。
(勿論、無加温でも飼育可能で冬場の低温飼育で70ミリが出たお客様もおられます)
因みに下記のエサ交換リレーで育てました。
- 1本目:ブナ菌糸ビン550cc(二齢で入れる)
- 2本目:ブナ〃〃850cc
- 3本目以降:無添加虫吉マットボトル850ccへ切り替え。
なお、一般的な添加発酵タイプと異なり、発酵ガスや発酵熱が発生しない上に劣化が遅いのでボトルに固く詰め込んでも安心です。
持ちが良いので本土ヒラタの場合、3から4ヶ月の交換頻度で済むので幼虫への交換時ストレスも軽減できます。
【ガス抜き不要、加水不要です】
当店のブナの菌糸ビンは、含水率は約50%、食いの良さと通気性を確保する為に微粒子に少し粗めの粒子のオガクズをブレンドした中粒子タイプです。
より自然に近い形で育つ様に添加剤は極力抑えております。
※過剰の添加剤は、キノコの菌がオガクズの分解の為に取り込むだけで逆に水っぽくなり劣化しやすいだけです。
因みに終齢の終期でマットに入れる理由は、菌糸ビンだと暴れ(掻き混ぜ)を起して小型化するからです。
また、それにより蛹化不全や羽化不全の他に死亡率が上がってしまい可哀相な結果に終ってしまうからです。
「命を守る為の飼育方法」です。