国産ノコギリクワガタの産卵方法(産卵木の加水から埋め込みまでの手順の説明)

国産ノコギリ

6月も中旬を迎え、これからの採集が旬を迎えるノコギリクワガタの産卵セットの紹介をしてみたいと思います。

注意点:セットの作成は、晴れた日に行った方が水切れが早く乾燥中のカビも防げます。

クヌギ産卵木

画像は、今回使用するクヌギ産卵木Mサイズです。

※今回は、2つのセットを組むので画像は2本です。

1セットに1本の使用ですがケースに2本入れた方が飼育ケースへの収まりが良く、効率も良いです。

朽ち木の加水の様子です。

まず、水を入れたバケツに産卵木(朽ち木)を入れて加水をします。

この様に水に浮かべたままだと時間が掛かり過ぎますので下記の一工夫を行ってください。

朽ち木に重しをします。

画像は、上から漬物石で重しをして沈めて加水時間を短縮しているところです。

※ブロックやレンガ、水を入れたペットボトルでも代用できます。

画像では、分かりにくいですがブクブクと物凄い数の泡を立てて水が染み込んでいます。

この方法でしたら、殆どの朽ち木が概ね30分ほどで加水が完了します。

※1時間以上漬け込まないで下さい。

朽ち木の水切りの様子です。

水から出して日陰で干しで水切りを行っているところです。

画像の様にカゴの上に乗せて干すと水切れも圧倒的に早くなります。

天候にもよりますが風通しが良い日陰で約6から8時間ほどで大丈夫です。

※緑のカゴは、近くの八百屋さんでタダで頂いたオクラカゴですが身近な物で構いません。

樹皮を剥がしています

日陰干しで水切りが完了した後、ステーキナイフで樹皮を剥がしている様子です。

※下手な刃物を使うと危険なので先が丸いステーキナイフが最適です。

樹皮は完全に剥がして大丈夫です。

樹皮を完全に剥がした様子

樹皮を完全に剥がした様子です。

※前述のとおり、2セット分です。

マットを固めます

画像は、コバエ防止ケース中サイズ木製プレスを用いて産卵用マットをカチカチに固めている様子です。

※強く固めるのは底の方の5センチ前後で構いません。

横から見たマットの様子

真横から見たマット詰めの様子です。

容器の下は、飼育容器の割れを防ぐ為に玄関マットを敷いて作業を行っています。(古雑誌、古い電話帳、畳んだ新聞紙でも大丈夫です)

ノコギリクワガタは、マットにも産卵しますので兎に角、容器の割れに注意しながら固く念入りに詰めてください。

朽ち木を横向きに置く

固め終えたら前述の樹皮を剥がした朽ち木を横向きに置きます。

画像の様にど真ん中に入れてください。

※朽ち木を2本使う場合は、逆に縦方向に2本並べて入れます。

マットを被せて埋め込む

朽ち木の上から残りのマットを被せて完全に埋め込みます。

※これまで説明した内容の方法で4リットル(1袋)のマットをちょうど使い切れると思います。

その際、隙間が出来ない様に軽く手で押さえてください。

※強く押さえて固める必要は有りません(重要な底の部分が酸欠になりますので)

セットの完成

朽ち木をマットで完全に埋め込んだらセットの完成です。

IMG_1006

横からの様子です。

※今回は、飼育ケース(中)の使用ですが(大)は大き過ぎてマットを詰めるのが大変な上に殖え過ぎる(爆産する)のでオススメしません。

殖やし過ぎると後々が大変なので注意が必要です。

セットを2つ重ねて見ました

今回は、画像の2つのセットを組みました。

飼育ケース(中)のフタには溝があり重ねる事が出来る仕様になっていますが重ねるのは2個迄をお勧めします。

※3個重ねると不安定になって倒れて割れる危険性があるので避けてください。

エサとペアを入れる

転倒防止の為にクヌギの落ち葉を入れ、昆虫ゼリー(ブラウン黒糖ゼリー)をエサ皿にセットしてペアを入れています。(参考例)

野外採集品であればメスのみでも産卵してくれる事が多いです。

高温に弱いので飼育は必ず室内の涼しい場所で行ってください。

今回は、直ぐに繁殖が可能な天然採集品の飼育例ですが、新成虫のノコギリクワガタの場合は、オスとメスが共に活動してエサを食べ始めてからが最適です。

その際、未交配なのでペア(オスとメスを一緒)で産卵木をセットした容器に投入してください。

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