ここ数日は、雨の影響で採集に行けなかったり、山に入っても昆虫が活性していなかったりと採集情報をお届け出来ずに申し訳ございません。
7月に入った途端に梅雨の蒸し暑い天候になり、多くの昆虫の姿を見掛ける様になりました。
今晩も早速、大きなカブトムシのオス(75ミリ前後)を見つけました。
樹液が出ている箇所に頭を突っ込んで餌場を独占状態です。
赤い色の綺麗な個体でした。
こちらの写真は、以前紹介したシロスジカミキリの産卵痕から出て来た樹液にやって来たカブトのメスです。
帯状に樹皮が剥がれている箇所が産卵の為にカミキリが齧った箇所です。
こういった場所から夏になると大量の樹液が出て森に集まる昆虫達の餌場になります。
こちらの写真は、カナブンです。
夜間なので薄暗い色に写っていますが昼間は独特の光沢で綺麗に見えます。
カナブンやタマムシの様に光の当たり方(屈折や干渉など)で様々な色に見える状態の事を『構造色』と呼びます。
黒い色をして夜間の活動に適した大型甲虫類との競合を避けて昼間に活動をする事が多いカナブンの外敵(野鳥)からの護身術です。
※因に鳥除けにもこの「構造色」が応用されています。
一方、黒い色をした昆虫は、昼間は目立ち過ぎて鳥の格好の餌食になってしまいます。※夜行性である理由の一つです。
高いクヌギの枝から出ている樹液にやって来たカブトの大型70ミリのオスです。
カメラとの距離が遠過ぎて写りが良く有りませんが頭を地面の方に向けて止まっています。
(昆虫は鋭い爪でしがみついて逆さ向きでエサを食べる事も可能です)
※目が白く光っているのは、ライトやカメラの光が反射しているからです。
体が大きい分だけ見つけやすいので観察も面白いです。
因にオスは、自分のオシッコに含まれるフェロモンの様な物質を両方の後ろ脚で器用に飛ばしてメスを誘います。
こちらは、何故かノコギリクワガタばかりを見掛けるクヌギです。
※少し分かりにくいですがオスの下にメスがいます。
本来は高い場所にいる事が多いですが低い場所から樹液が出ているので写真も撮影しやすいです。
笹の陰に隠れて樹液を吸うノコギリのオスです。
こちらも見掛ける個体数が徐々に増え始めていますが、例年よりも大型個体が少ない様な気もします。
樹皮が剥がれた場所に隠れるコクワガタのオスです。
今日は、何故かよく見掛けました。
別の木の樹洞に灯を当てると驚いて走り始めたコクワ(38ミリ前後)のオスです。
チョコチョコとした独特の動きに愛嬌があり人気があるのが分かる様な気もします。
◆天然採集品は、全てコンディションを維持する為、冷房が効いた場所で1匹ずつ個別に管理をしており、ダニを落としてから出荷しております。