今回は、タカラヒラタクワガタの産卵方法の紹介をしたいと思います。
この種は、鹿児島県十島村のトカラ列島南部の宝島(奄美大島の北北西)に生息する離島産のヒラタの亜種です。
大型個体になるほどアゴの太さや体の厚みが出てカッコ良くなるので人気が有ります。
現在は、十島村の自然動植物に関する条例で採集が禁止になっているので繁殖品のみが流通している種類です。
寿命は羽化後3年ほどですが繁殖には、羽化してから4ヶ月以降の方が効率が良いです。
産卵推奨温度は、25℃前後がベストなので常温飼育の場合は5から9月が良いです。
※出来れば6月から8月にセットを組むと良いです。
それ以外の季節は、加温飼育で繁殖可能ですが環境次第では決して効率が良くないので余りお勧めしません。
晩夏から冬の羽化で繁殖に間に合わなかった場合、寒い場所で越冬させて翌年の初夏をお勧めします。【冬眠時は、5から10℃の低温をお勧めします。】
※基本的に本土産と同様に耐寒性が高いです。
それでは、実際の手順を紹介したいと思います。
必要な主なアイテムを紹介します。
- 飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)
- 昆虫マット:産卵用マット4リットル
- 産卵木(朽ち木):クヌギLサイズまたは、Mx2本
- プレミアム国産昆虫ゼリー
今回は、クヌギ産卵木Lサイズを1本用いる事にしました。
バケツに入れて加水しています。
加水前は、乾燥して軽いのでプカプカと浮かんでしまうので重しをして沈めると良いです。
上から重しをして沈めている様子です。
※画像は、漬物用の重しを使用していますがレンガや石、水を入れたペットボトルを上に乗せても大丈夫です。
この状態で30分前後(1時間以内)で加水が完了します。
加水が終わって水を切っている様子です。
日光が当たらない場所で6から8時間ほど日陰干しをするだけで大丈夫です。
※画像の様にカゴやザルに乗せて地面から上げると効率良く乾燥します。
日陰干しが完了した朽ち木の樹皮を剥がしている様子です。
ステーキナイフを使うと効率良く安全に剥がせます。
樹皮は、完全に剥がしてしまって大丈夫です。
次に飼育ケース(中)に産卵用マットを入れます。
固めない状態で容器の約4割くらいまで注いで一旦入れるのを止めます。
※上記の分量は、産卵木の太さにもよりますが丁度1袋(4リットル)で1セットを組める目安の量になります。
飼育容器の割れに注意しながらステンレス製プレス(※現在は木製マットプレスに変更)で入念に底の部分を固めて行きます。
※容器の下には、割れ防止の為に玄関用の足拭きマットを敷いています。
(四つ折りの新聞紙や古雑誌でも代用可能です)
固め終わった後の横からの画像です。
底の部分に概ね3から5センチくらいの堅い層が出来る感じで大丈夫です。
固めたら中に先ほどの樹皮を剥がした朽ち木を置きます。
画像の様に横向きに入れると綺麗に収まります。
残りのマットを注いで埋め込みます。
溢れない様に注意して全部入れて使い切って大丈夫です。
隙間を軽く手で抑えて完全に埋め込みます。
この部分は、酸欠防止の為にカチカチに固める必要は有りません。
セットの出来上がりです。
直ぐにオスとメスを入れても大丈夫ですが確実にペアリング(交配)をさせる為に下記の方法をお勧めします。
飼育ケース(ミニ)などの小さな容器に5から7日ほどオスとメスを一緒に入れて確実にペアリングさせると効率的です。
確実に出会う様に餌場を1箇所のみにしています。
画像は、ワイドカップセリーを専用エサ皿にセットして与えています。
但し、オスがメスを挟んで傷付けたり殺してしまう事故が発生することが多いです。
なので画像の様にオスのアゴを園芸用の樹脂加工の針金で縛る事をお勧めします。
交配済みのメスのみを産卵木をセットした容器に投入します。
飼育容器には、転倒防止のクヌギの落ち葉、エサを入れます。
餌は、ホワイト高タンパクゼリーやプロゼリーなどの合成保存料が入っていない高タンパク系の昆虫ゼリーが産卵に適しています。
※エサ皿は、スペースに応じてお好みで構いません。
季節や気温によって卵を海始めるまでの速度が異なります。
1ヶ月経過しても卵や幼虫が見えない場合は再びオスを3日ほど投入してください。
■割り出しの様子を紹介した記事>>>
大変参考となりました。
昨年購入したタカラヒラタは、現在、越冬中なので春になったら、セットを組んでみようと思います。
ひで様
いつもお世話になっております。
コメントありがとうございます。
タカラヒラタは、無加温飼育の場合は梅雨入り前後がお勧めですが概ね23から25℃を超え始めたら産卵可能だと思います。
※産卵セットを組むのが早過ぎると気候が安定してから産卵が始まるので少し時間が掛かってしまう傾向があります。
飼育等でご不明な点が御座いましたらお気軽にお問い合わせください。
本年も宜しくお願い致します。