今晩の採集は、直前の雨で中止になってしまいましたので先日から定期的に入荷している天然の屋久島産ヒラタクワガタの産卵セット(産卵木を容器にセットする事)を組んでみましたので紹介です。
画像は、先日入荷した50ミリ台前半のオスです。
※画像の個体は、越冬個体につき出品は致しておりません。
屋久島は、本土ヒラタクワガタの最南端の生息地でしかも陸地ではなく、鹿児島から遠く離れた離島につき、私が見慣れている北部九州産と比べると少し雰囲気が異なる個体が多いです。
※本土産よりも少しアゴが太くてガッチリしたタイプが多い様に感じます。
それでは、実際の手順を紹介したいと思います。
先ず、産卵木(クヌギMサイズ)を1本用意します。
※今回は、1本だけですがコバエ防止ケース(中)を使用の際は、2本使った方が収まりが良いです。
朽ち木を加水している様子です。
最初は乾燥しているので水を染み込ませる必要が有ります。
※画像の様にプカプカと浮かぶので重しを乗せると手っ取り早いです。
なお、産卵木の加水作業は、晴れた日に行った方が、水切れが良くなり、埋め込んだ際にマットがベチャベチャになったり、カビが発生しにくいです。
重しを乗せて時間短縮をしている様子です。
※画像は使わなくなった漬け物用重しですが水を入れたペットボトルや洗面器でも代用可能です。
ブクブクと泡を出しているのが分かります。
この状態で約30分程度で水から上げます。
1時間以上の加水は、水切れが悪くなるので避けてください。
水から上げて逆さまにしたカゴの上に乗せて日陰干しをしている様子です。
地面から上げる事で水切れが早くなります。
画像のカゴは、八百屋さんで貰ったオクラカゴ(オクラの入荷時に入っているカゴ)です。
※水が落ちる様に下からの通気性があるカゴ状の物なら何でも大丈夫です。
この状態で6から8時間ほど日陰で干すと良いです。
朽ち木の樹皮をステーキナイフで剥がしている様子です。
この道具が最も安全で手軽に樹皮を剥がせます。
画像の様に樹皮は、全部剥がしてしまって構いません。
コバエ防止ケース(中)に産卵用マットを入れている様子です。
ここでは、固めない状態で容器の4割程度まで入れて一旦止めます。
次に木製マットプレスで固めます。
容器を割らない様に下に玄関マット(ゴム製足拭き)をクッションの替わりに敷いています。※古雑誌や畳んだ新聞紙、ボール紙でも代用が出来ます。
固め終わった後の横からの画像です。
底の部分の固まった5センチ前後の層が出来ていれば大丈夫です。
※足りない場合は少しマットを加えて再度固めると良いです。
その上に先ほどの樹皮を剥がした朽ち木を置きます。
1本のみの場合、ど真ん中に入れると良いです。(2本使用時は、縦向きに置く)
残りのマットを上から入れて埋め込みます。
これまでの説明通りの分量や方法を行うとコバエ防止ケース(中)で1袋(4リットル)をジャストで使い切れると思います。
※クヌギ材Mサイズx2本使用時も同様です。
容器と朽ち木の間にできた隙間を埋める様に手で軽く押さえて行きます。
ここでは、強く固める必要は御座いません。
※固く詰め込むと容器の底の部分が酸欠を起こしてしまい台無しになってしまいます。
朽ち木と底の固めた層及びその周辺に産卵する傾向があります。
セット(産卵木の埋め込み)の完成です。
先ほどの容器にペアを入れて完成です。
イメージの為にオスも入れて撮影していますが野外採集品は、自然下での交配率が高いのでメスのみ単体で産卵可能です。
同居飼育の場合、メスの挟まれ事故防止の為、1週間ほど経過してオスを取り出して別の容器で飼育されると良いです。
※大型の飼育品を交尾させる際は、オスのアゴを縛ってペアリングさせる方法が有効です。
画像の飼育用品は、転倒防止用クヌギの落ち葉、プチエサ皿(2個)、ブラウン黒糖ゼリー(左上)、エキストラバナナゼリー(右下)です。
マットの上に設置する飼育用品は、お好みで構いません。
繁殖させるとどんな個体が出て来るか今から楽しみです!