2017年1月も最終日を迎え、1ヶ月が過ぎるのが早く感じる今日この頃です。
九州北部(福岡県福津市)は、海に面した沿岸部なので例年だと日本海の冷たい風が吹き込んで3月上旬頃まで寒いのですが、今日は午前中から晴れの穏やかな一日を迎えています。
今回は、週明けに行った産卵セットの割り出しを紹介したいと思います。
※流石に冬になると産卵速度が鈍化するので積極的には組めません。

こちらは、11月に組んだヤクシマスジクワガタの産卵セットの様子です。
本土に生息するスジクワの亜種なので繁殖方法は全く同じです。
今回は、コバエ防止ケース(中)、成虫マット、クヌギ産卵木MサイズもしくはSサイズ(※)、ワイドカップ昆虫ゼリーを使用しています。
※現在、産卵木Sサイズは終売になっています。
今回は、スペースの都合でエサ皿は、入れていません。
なお、16グラムのスタンダード(深型カップ)タイプの昆虫ゼリーを与える際は、潜り込んで溺れる恐れがありますのでゼリースプリッターで半分にカットして与えると良いです。

飼育容器をひっくり返して出てきた二齢です。
※小型の種類なので幼虫も非常に小さいです。

二齢のアップの画像です。
二齢でも他の種類の初齢に毛を生やした様な大きにしかならない場合もあります。

こちらは、朽ち木に面した部分から出て来た大きめの二齢です。

産卵木を割って出てきた幼虫です。

今回の屋久島スジクワガタ の割り出し結果です。
(合計で17匹の幼虫が出てきました。)
画像の一時管理用のカップにオオクワマットを入れて4から5日ほど養生させて異常の有無を見極めます。
その後で飼育ボトル550cc(現在は遮光クリアボトル500cc)にオオクワマットを木製プレスでカチカチに詰めた物に投入します。

こちらも2016年11月に組んだゴトウヒラタクワガタの産卵セットをひっくり返した様子です。
産卵マットの中から小さな初齢が見えます。
ゴトウヒラタは、大アゴが長くて細身(長歯型)のイメージがありますががチリした個体(短歯型)も多いです。

朽ち木(クヌギ産卵木Mサイズ)の表面から出て来た幼虫(二齢)です。

こちらは、朽ち木の中から出て来た幼虫(上が二齢、下が初齢)です。
その下には、卵も見えています。
※幼虫のお腹の色は、直近に食べたエサの色で変化しますので朽ち木と同じ肌色になっています。

今回は、全部で24匹の幼虫が出てきました。
※卵は、割りカス(割った後のマットと朽ち木の破片)と一緒に飼育容器(中ケース)に埋め戻して1ヶ月位して再び幼虫で回収する予定です。
カップには、無添加虫吉幼虫マットを入れて4から5日ほど養生させてから二齢になった物から順次菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光菌糸ビン500ccへ仕様変更)に投入する予定です。
※小さな初齢の場合は、二齢になるまで更に待ってから入れると良いです。
障害などで育たない虚弱な幼虫の場合もあるので菌糸ビンのロスを減らす為に見極めが大切です。

画像は、ブヨブヨ病と呼ばれる目に見えない真菌の仲間に発症したとされる摂食障害の幼虫です。
飼育環境の悪化でバクテリアや微生物の環境が狂ってしまう事で発生のリスクが上がります。
産卵セットを組んでから割り出しまでの間にマットや産卵木が古くなったり、劣化してしまった時に発生しやすくなります。
幼虫の体内に侵入して増え続けた真菌は、腸内細菌(菌類を糖質に変える菌)を死滅させたり、腸内の栄養吸収器官を攻撃して栄養が吸収できずに成長しないまま死んでしまいます。
上記の症状が出た個体は、絶対にボトルに入れない様に注意が必要です。
是非、飼育の参考にしてみてください。