今日の福岡県福津市(北部九州)は、週末までの寒さと強風が嘘の様な晴れの一日でした。
今日は、昨年の11から12月に掛けて組んだアカアシクワガタの産卵セットの割り出しを行いました。
実は、いつもブログを書きながら思っているのですが産卵セットという専門用語を「繁殖に必要な朽ち木やマットをケースにセットする【正】」ではなく「飼育用品の一式セット商品【誤】」という誤解を与えていないか少しだけ心配しています。
※昆虫に限らず、ペットの市場は専門用語が溢れ返っており、始めての方には耳慣れないキーワードが飛び交っているのも事実です。
出来る限り、始めての方に分かりやすい説明と表現を心掛けたいと思う今日この頃です。
話は、横道に逸れてしまいましたが割らずに少し引っぱり気味になっていたセットを重い腰を上げて割った様子です。
※今日は、一気に2セット割りました。
画像は、11月末にセットした朽ち木から出て来た二齢です。
割る際は、マイナスドライバーを用いて慎重に行うと潰しが少なくなります。
割り馴れると分かるのですが卵を産み付ける際にメスが空けた穴(産卵痕)や幼虫が入った形跡が有る場合、それらから少し離れた面から攻略すると潰しゼロで終わらせる事も可能です。
※メスが削った場所に思いっきりドライバーを突き刺してしまうと見事なストライクになってしまうので注意してください。
●使用した飼育用品は、下記のとおりです。
・飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)
・昆虫マット:成虫用4リットル
・朽ち木:コナラ材(産卵木Mサイズ)
・エサ:国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料が一切入っていないので昆虫に安心です。)
・エサ皿:スペースに応じてお好みで大丈夫です。
食痕(幼虫が食い進んだ痕)と共に出て来た初齢(上)と二齢(下)です。
以前もお伝えしましたが幼虫は、初齢(一齢)→二齢→終齢(三齢)と合計2回の脱皮を繰り返して大きくなって行きます。
※画像のとおり、特に頭部の大きさが肥大化して行きます。
こちらは、卵です。
卵のサイズは、コクワガタよりも少し大きめです。
卵は、回収して管理するよりも一通り割って幼虫を回収した後で割りカス(割った後の朽ち木屑とマット)と一緒に飼育容器に戻して埋め込んでおけば勝手に孵化します。
4週間から1ヶ月後に再度飼育容器を引っくり返して再び幼虫回収を行うと良いです。
木の芯の付近に食い込んでいた初齢です。
ドライバーで割りにくい細かい部分や破片の割り出しには、先が尖ったニッパーを用いると便利です。
※グリップにスプリング(バネ)が有る物の方が勝手にハサミが開くので手が疲れずに済みます。
今回の割り出し結果です。
13匹の幼虫を採取しましたが割りカスの中に卵や回収漏れの幼虫も何匹かいるので最終的には15匹以上になると思います。
一時管理用カップには、無添加虫吉幼虫マットもしくはオオクワマットのいずれかを固めずに入れて4から7日ほど養生させます。
その後で二齢から順次ブナ菌糸ビン500ccに投入する予定です。
※割り出しの際に傷が入ってしまったり虚弱な幼虫を見極める為、割り出し直後のボトルへの投入は、余りお勧めしません。
アカアシクワガタの本日2セット目の割り出しの様子をサクッと紹介します。
こちらは、昨年(206年)12月にセットした朽ち木です。
※最初に紹介した1セット目と同様にナラ材を使用しています。
表面には、メスが齧った痕が沢山見えます。
端っこの方を少し削ると初齢が出てきました。
※木を食べているので肌色っぽい体色をしています。
ザックリと割ってみると無数の食痕が現れました。
食痕付近を慎重に割って行くと木目に沿って食い進んでいた2匹の幼虫が出てきました。
2セット目も同じく13匹の幼虫が出てきました。
※こちらも何個か卵を割りカスの中に埋め込んで残したので最終的には15匹前後になると思います。
冬場は、産卵や羽化の速度が鈍化するので明日からは、11月に投入した菌糸ビンの交換作業などを行う予定です。
※おそらく、自分がボトルを詰めている間に店長が作業を進めてしまい紹介できないかもしれませんが・・・(汗)。