クメジマノコギリクワガタの産卵木のセットの割り出し(幼虫35匹、卵6個の爆産)の様子

今日の福岡県福津市(九州北部)は、少し肌寒いスッキリとしない天気です。

今回は、先日行ったクメジマノコギリクワガタの産卵セット(産卵木を埋め込んでセットした飼育ケース)の割り出しの様子を紹介したいと思います。

他の離島産ノコギリクワガタに比べて少し地味な存在かもしれませんが太くて力強いアゴを持っていて、個人的には味がある種類だと思います。

それでは、爆産の様子を紹介したいと思います。

クメジマノコギリクワガタの幼虫

使用した飼育ケースの底から見える若齢(初齢、二齢)です。

●今回の産卵に使用した主な飼育用品

・飼育容器:コバエ防止ケース中サイズ

・昆虫マット:産卵用4リットル

・産卵木(朽ち木):クヌギ材Mサイズ

・エサ:ブラウン黒糖ゼリーホワイト高たんぱくゼリー(合成保存料、香料、着色料などの添加物が一切入っていない国産の昆虫ゼリー)

12月下旬にセットを組みましたが気温が20度前後なので幼虫が見え始めるまでに少し時間が掛かってしまいました。

繁殖方法は、一般的なノコギリクワガタと同じです。

産卵セットをひっくり返した様子です。

飼育容器をひっくり返すとパッと見るだけでも10匹以上の幼虫が姿を現しました。

今回は、主にマットから出てきました。

※白いクモの巣状(糸状)の物は、原材料の菌床や朽ち木の菌糸が張っただけなので飼育上の問題は御座いません。

幼虫はスプーンですくって移動させます。

幼虫は、専用のスプーンを用いて潰さないように慎重にすくって移動させます。

幼虫をカップに入れます。

一時管理用のカップに落とさないように注意して入れます。

※カップの中に無添加虫吉幼虫用マットを固めずに入れた物を予め用意して上に乗せても大丈夫です。

沢山の幼虫が一度に出すぎると余裕が無いかもしれません。

マットの塊の中から出て来た幼虫

潰さない様に注意しながらマットの塊を手で砕いて行くと初齢2匹(写真左)と大きな頭の二齢(写真右)が出てきました。

脱皮して日が浅いので頭部は少し引き締まるかもしれませんが画像の二齢は、大型化するオスの可能性が高いです。

二齢の時点で他の個体よりも頭部が肥大化した幼虫ほど大型化する傾向があり、虫吉では『ビッグヘッド(巨頭)』と呼んでいます。

この系統のオスの幼虫でなければ大型個体が出にくいと言っても過言ではありません。

実際にビッグヘッドの印を付けていた幼虫の方が圧倒的に大型個体の発生率が高いです。

飼育経験が豊富なお客様は、ご存じかもしれませんが平均値よりもずば抜けて頭部が大きい二齢の方が終齢になっても体重が増えやすいです。

成長の度合いは、血筋もあると思いますが孵化直後に食べるマットの品質にも大きく左右されます。

※添加剤が多すぎる物は、劣化が早く泥状になりやすいので注意が必要です。

初齢と二齢

二齢と初齢の頭部の大きさの比較です。

脱皮して日が浅い間は、長さ(身長)の違いは少ないですが頭部の大きさの違いは一目瞭然です。

クワガタの幼虫の卵から羽化までの成長過程の紹介>>

卵

卵の画像です。

※直径は2から2.5ミリ(3ミリ前後)くらいの大きさだと思います。

卵は、回収して個別に保管するよりも割りカス(使用した朽ち木の屑やマット)と一緒に飼育容器に戻しておいた方が孵化率が高い様に思います。

割りカス

割りカスを再び飼育容器に戻した様子です。

※撮影の為に蓋を開けていますが、蓋を閉めて保管します。

初齢が朽ち木の細かい部分に入り込んでいたり卵が残っている場合もあるので「一発全回収」が厳しです。

念のため、4週間から1ヶ月ほど保管した後で再び容器をひっくり返して確実に幼虫を回収してください。

割り出し結果

今回の割り出し結果です。35匹の幼虫を回収しました。

※朽ち木の中から確認できた6個の卵も一緒に埋め込んだので最終的には40匹前後の数になると思います。

クメジマノコギリクワガタの幼虫を管理します。

回収した後は、一時保管用のカップに無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて4から7日ほど異常の有無を確認するために養生させます。

その後でブナ菌糸ビン550cc(現在は遮光ボトルタイプ500ccへ商品変更)もしくは、マットボトル850cc(現在は遮光ボトルタイプ800cc)に投入します。

カップには、種類や産地などの情報と割り出し日を記載したビニールテープかマスキングテープを1個(1匹)ずつ貼っておくと管理ミスを防げます。

大型化しそうな物もいますので今後の成長が楽しみです。