トクノシマヒラタなど離島産クワガタの大型幼虫の菌糸ビン交換の様子

今日の福岡県福津市の天気も昨日同様、時々晴れ間がある物の少し肌寒い天気でした。

今回は、昨日の夕方に行った離島産クワガタの幼虫のエサ交換の様子を紹介したいと思います。

トクノシマヒラタの終齢

こちらは、1本目(2016年11月25日)にブナ菌糸ビン550cc(現在は、ブナ遮光クリアボトル500ccへ仕様変更)に投入して2本目の交換を迎えたトクノシマヒラタクワガタの終齢です。

まだ伸びしろが残った状態の丸々と太った幼虫です。

※もちろん頭部も大きく発達しています。

27グラムの幼虫

体重を測ってみると1本目の食い上げ時で27グラムでマズマズの大きさでした。

虫吉では、頭部の大きさと成熟具合を見ながら2本目を「マット組」と「菌糸ビン組」に分けています。

2本目からマットに切り替えても最近では、他の種類で超大型個体が羽化していますので『見込みがない』というわけではございません。
(死亡率を減らしながら更にデカく育てる為の最短距離を選んだ飼育方法です。)

今回の終齢は、伸びしろが有る巨頭(ビッグヘッド)のオスだったので次の2本目は、ブナ菌糸ビン850ccを使用します。

※ブナの方がクヌギよりもオガクズの粒子が少し粗いので通気性が保たれて幼虫の落ち着きが良いのでお勧めです。

ヒラタクワガタの仲間は、明らかにブナの方が結果が出ます。

因みに菌の種類が同じ(同系統)であればクヌギからブナへの樹種が異なる菌床へ交換しても結果が得られます。

※ただし、現在の虫吉の菌床は、ブナはオオヒラタケ、クヌギはカンタケへ商品の変更が発生しております。

なお投入前に必ず2から3日ほど飼育下の温度で温度慣らしを行ったり、加温飼育の際は投入後の1から2週間ほど少しだけ温度を落とすなどの工夫が必要です。

※急激な温度や環境の変化によるストレスを少しでも軽減するためです。


それでは、2本目の投入の様子を紹介します。

菌糸ビン850ccに穴を空けます。

投入の手順ですが先ず、画像の様に菌糸ビン専用穴あけシャベルで幼虫の大きさに合わせて大きめの穴をくり抜きます。

※現在、画像の乳白色ボトルは、終売につき遮光クリアボトルへ商品の変更が発生しております。

空けた穴の様子

終齢が頭から潜れる大きさの穴を空けた様子です。

終齢をの場合、潜った際に盛り上がった菌床のオガクズで通気口が塞がってしまう恐れもありますので、くり抜いた際に出たオガクズは捨ててしまった方が良いです。

スプーンで幼虫を投入

エサ交換用のスプーンで幼虫を慎重に運び投入します。

投入後は、蓋を閉めて急激な温度変化が無い場所で飼育します。
※温度が高すぎると暴れやすくなります。

当店では、大型個体を育てる為に真冬は20度前後になるように空調を利かせていますが床に近い場所は、18から19度になっているので投入直後の終齢を落ち着かせるのに有効活用しています。


なお、飼育ルームをお持ちの方でエアコン(暖房)で温度管理を行っておられる方は、サーキュレーター(送風機)で天井に向かって真上に風を当ててあげると温度ムラが少なくなります。

サーキュレーター

画像の様な小型のサーキュレーターはホームセンターや家電量販店でも普通に安く売っていますが真上を向くタイプを選ぶ必要があります。

夏場は、冷房の風向きと同じ方向に真っすぐ風を遠くに送り出してあげると効率も上がり省エネになります。

※但し、真夏に風を天井に向けてしまうと天井(屋根の方)の熱を拡散させてしまうので冷房効率が落ちてしまうのでご注意ください。

(冷房時は、扇風機との併用の方が風量が強いので効果的かもしれません。)

サーキュレーターを用いる際は、『冷房時が横向きの風』『暖房時は上向きの風』を間違えないようにしてください。

空気循環は、ボトル内の酸素の入れ替わりも円滑にさせるので幼虫飼育の必需品です。


終齢28グラム

こちらは、11月11日に1本目のブナ菌糸ビン550cc(現在は500cc)を与えたトクノシマヒラタの終齢28グラムです。

1本目を食い上げた時点で大きく育っているので次の交換で30グラムオーバーを狙えそうな感じの体重です。

菌糸ビンに投入

勿論、2本目も引き続きブナ菌糸ビン850cc(現在はブナ遮光800ccへ仕様変更)でチャレンジしてみました。

※成長(加齢)速度が速いので暴れに注意しながら4月下旬頃にマット飼育へ切り替えて蛹にさせる予定です。

アマミヒラタの終齢

こちらは、2016年12月2日に1本目のブナ菌糸ビン550cc(現在は500cc)に投入したアマミヒラタクワガタの終齢です。

昨年の晩夏に入荷したメスから産まれた幼虫なので、季節的にあまり大きく育ってませんが頭部だけは大きいので確実に70から74ミリくらいは狙えそうな感じもします。

2本目も同様にブナ菌糸ビン850cc(現在は800cc)へ投入しました。

イキヒラタの終齢

こちらは、イキヒラタクワガタの終齢です。

※2016年12月9日に1本目のブナ菌糸ビン550cc(現在は500cc)へ投入しましたが見事な喰いっぷりでした。

こちらも1本目が冬の気温が低い季節だったので未だ大きく育っていませんが頭部のサイズが大きいので2本目も菌糸ビン850cc(現在は800cc)に投入してチャレンジしてみました。

※久しぶりに大型個体を狙ってみたいと思います。

トクノシマノコギリの終齢

こちらは、11月2日にブナ菌糸ビン550cc(現在は500cc)へ投入したトクノシマノコギリクワガタの終齢です。

※夏に入荷した天然のメスから生まれた幼虫です。(産卵方法はこちら>>)

マットボトルに投入

2本目は、無添加虫吉マットボトル850cc(現在は、遮光クリアボトル800ccタイプへ仕様変更)へ切り替えました。

菌糸ビンからマットへの切り替え飼育の説明>>


マットボトルについて

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットのボトル詰め(超固詰め)商品の事です。

無添加なので発酵ガスや発酵熱が一切発生しない上に劣化が遅く、持ちが良いのでボトルに固く詰め込んでおくと交換頻度を4ヶ月に1回に低減させる事が可能な幼虫に優しい商品です。

ガス抜き不要、加水不要です。

この方法で過去に70ミリオーバーを何度も羽化させていますので今後が楽しみです。


トクノシマヒラタなど離島産クワガタの大型幼虫の菌糸ビン交換の様子” への2件のコメント

  1. 大きな幼虫を見ていると、今期のブリードが楽しみになってきます! 今年の国産ヒラタ飼育はスジブトヒラタ、ゴトウヒラタをやる予定です。
     
    そういえば昨年虫吉さんから購入した宮崎産スジクワガタの子孫が、かなり期待のできるサイズに育っております。 羽化したらヤクシマスジとともに報告します。
    それではまた。

    • サタンさま

      いつもお世話になっております。
      コメントありがとうございます。
      個人的に仕事を度外視にしてクワガタの飼育(大型個体の作出)に向けて日々楽しんでいます。
      ※自分で「卵→幼虫→羽化」と生命の誕生を経験出来るのもクワガタ飼育の醍醐味だと思います。

      ご報告の内容と重なってしまいますが楽しんで飼育した方が大きく育ってくれている様に感じる今日この頃です。

      大型個体の羽化の際は、ご報告いただけると嬉しい限りです。

      今後とも宜しくお願い致します。

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