コクワガタの仲間やクロシマノコギリの幼虫の3本目のマット交換

2月も下旬に差し掛かり、こちら福岡県福津市(北部九州)は、少しずつ暖かい春の陽気になり始めました。

※但し、日中と朝晩の温度差が大きく日が沈むと少し肌寒くなります。

今回は、週末から行っているクワガタの幼虫の3本目へのエサ交換の様子を紹介します。

★この記事に登場するボトルは現在、550cc→遮光クリアボトルタイプ500cc、850cc→遮光タイプ800ccに変更になっています。

国産コクワガタの終齢6グラム

画像は、国産コワガタの6グラムの終齢です。

昨年の夏に自己採集した天然メスから生まれた幼虫です。(産卵方法を紹介した記事>>

この体重でも十分に45から49ミリが狙えると思います。

因みに下記のエサ交換で育てています。(現在、18から20℃で飼育中です。)

コクワガタの仲間は、終齢での菌糸ビンの暴れ(かき混ぜ)で逆に小さくなってしまうリスクを避けるために2本目からエサを切り替えています。

菌糸ビンからマットへの切り替えについて>>

ボトルにマットを詰め込む際は渾身の力で固く詰め込んでください。

詰めが弱いと途中で弛んだり、乾燥してしまい生育のトラブルが発生する恐れがあります。

マットの詰め方>>

シャベルで穴を空ける様子

ボトルに投入の際は、画像のエサ交換用シャベルを用いると簡単に解せます。

ザクザクと表面を掘れます。

※現在、画像の乳白色ポリボトルは、終売につき、遮光ボトルへ変更になっております。

交換用スプーンで幼虫を投入

投入は、エサ交換用のスプーンを用いて慎重に行うと幼虫のストレスを軽減できます。

交換頻度は、超固詰めの状態で3ヶ月半から4ヶ月に1回で大丈夫です。


終齢7グラム

こちらも同じく国産コクワの終齢です。

こちらは、先ほどの物よりも大きな7グラムです。

※最低でもこの体重になれば50ミリの確率が上がります。(成虫のアゴの長さやボディの太さにも左右されますが・・・)

こちらも前述の幼虫と全く同じ交換リレーです。

  • 1本目(2016年7月25日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は遮光タイプ500c)
  • 2本目(2016年10月16日)終齢:虫吉オオクワマット(550cc→現在は遮光クリアボトル500cc)
  • 3本目(2017年2月27日)終齢:同上
幼虫をボトルに入れます

これが最後のエサ交換になると思いますので4から5月頃に羽化すると思います。

今年は、例年よりも数が少ないですが何とか50ミリオーバーを羽化させたいと思います。

※ここ数年は、毎年50ミリが羽化していたので途切れさせたくない気持ちもあります。


ヤクシマコクワの終齢

こちらも2本目から3本目の交換の際に大きく育っていたヤクシマコクワガタの終齢です。

中身のマットを出してみると良い感じに粉々に食べていました。

こちらも昨年の初夏に入荷した天然物のメスをから産まれた幼虫です。

7グラムの終齢

体重を測ってみると7グラムの特大サイズの終齢でした。

こちらも上手く育ってくれると極太アゴの50ミリ前後が狙えるかもしれません。

この種類は、早期羽化タイプなので大型個体を狙う場合は、夏場の低温飼育の必要があります。

早ければ4から5月頃には羽化しているかもしれません。

因みにこちらのエサ交換リレーは、下記のとおりです。

  • 1本目(2016年7月17日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は500cc)
  • 2本目(2016年10月14日)終齢:虫吉オオクワマット(550cc→現在は500cc)
  • 3本目(2017年2月27日)終齢:同上

トカラコクワの終齢7グラム

こちらは、トカラコクワガタの終齢の特大7グラムです。

こちらも菌糸ビン→マットの切り替え飼育が上手くハマってくれます。

「はじめボウボウ」「あとチョロチョロ」のイメージで前半の若齢時に菌糸ビンの火力で一気に大きくさせてしまえば、後半はマット飼育で火力を落としてゆっくり無理なく大きく育てる感じです。

※大型個体をなかなか出せない方は、騙されたと思って試してみる価値があると思います。(固定概念を捨てる勇気が必要かもしれません。)

こちらも同様のエサ交換リレーです。

  • 1本目(2016年7月21日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は500cc)
  • 2本目(2016年10月16日)終齢:虫吉オオクワマット(550cc→現在は500cc)
  • 3本目(2017年2月27日)終齢:同上
3本目に投入

良いタイミングで3本目に投入できたと思います。

こちらも2年振りに50ミリオーバーを見てみたい感じもします。


アマミコクワの終齢

画像は、ボトルから堀り出したアマミコクワガタの終齢のオスです。

小さいので、潰したり傷つけてしまわない様に注意が必要な種類です。

こちら、前述までの種類とは、全く別種のリュウキュウコクワの仲間になります。

成虫のオスは、ちょこんと上に突き上げた様な小さなアゴが可愛いです。

体重は4グラム

この種類の体重は、余り測った記憶が無いのですが大きめの物の体重測定をしたら4グラムでした。

※毎年35から38ミリくらいの大型のオスが羽化しているのでこの体重でも結構大きくなるのかもしれません。

因みに下記のエサ交換で飼育しています。

  • 1本目(2016年7月27日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は500cc)
  • 2本目(2016年10月16日)終齢:虫吉オオクワマット(550cc→現在は500cc)
  • 3本目(2017年2月27日)終齢:同上

これが最後のエサ交換になると思います。

※羽化は、早ければ4から5月頃になるかもしれません。

トクノシマコクワの終齢

こちらは、トクノシマコクワガタの終齢4グラムです。

※たぶん、この体重でも大型個体が羽化すると思います。

こちらも同様のエサ交換です。

  • 1本目(2016年7月25日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は500cc)
  • 2本目(2016年10月16日)終齢:虫吉オオクワマット(550cc→現在は500cc)
  • 3本目(2017年2月27日)終齢:同上

こちらも大型個体の羽化が楽しみです。


クロシマノコギリの終齢

こちらは、クロシマノコギリクワガタの終齢の特大サイズです。

体重17グラム

体重を測ってみると17グラムもありました。

※過去に16グラム以上の体重で運が良ければ70ミリのオスが羽化した事があったので今回も十分にチャンスがあると思います。

  • 1本目(2016年7月17日)二齢:クヌギ菌糸ビン550cc(現在は500cc)
  • 2本目(2016年10月17日)終齢:無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光タイプ800cc
  • 3本目(2017年2月25日)終齢:同上
マットボトルについて

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットを渾身の力でボトルに詰め込んだオリジナル商品の事です。

添加剤を一切加えずに発酵させていますのでボトル内で有機物の腐敗による発酵ガスや発酵熱が発生しないので幼虫に安心です。

虫吉オリジナル木製プレスはこちら>>

加えて、持ちが良いのでクロシマノコギリの場合は、4ヶ月に1回の交換で済むので掘り出し時のストレス痩せのリスクを軽減できます。

最後のエサ交換

この種類は、早期羽化の傾向が高いののでこれが最後のエサ交換になると思います。

初夏頃の羽化(もしくは蛹化)になると思います。

クロシマノコギリの終齢18グラム

こちらは、更に大きなクロシマノコギリの終齢(超特大級)18グラムです。

※パーソナルベストです。

もちろん、菌糸ビンからマットへの切り替え飼育です。

※先日、同様の飼育をしておられるお客様からも18グラムのご報告をいただきました。

今回までのエサ交換リレーです。

  • 1本目(2016年6月19日)二齢:ブナ菌糸ビン550cc(現在は遮光ブナ500cc
  • 2本目(2016年10月20日)終齢:無添加虫吉マットボトル850cc(現在は800cc)
幼虫の糞

交換の時に掻き出した古いマットからは、ゴロゴロとした糞が目立ち爆食した事が確認できます。

ストレスなく沢山食べるので確実に大きくなる様な感じがします。

※最初は、死なせたくない一心で無添加マットの飼育実験を行って現在に至っていますが現在は、大型個体作出の為の重要アイテムになっています。

3本目の交換も引き続き無添加マットボトル850cc(現在は遮光800cc)ヘ投入して昨年の夏以来の夢の『激太激湾曲の70ミリ』を狙ってみたいと思います。


コクワガタの仲間やクロシマノコギリの幼虫の3本目のマット交換” への8件のコメント

  1. いつもお世話になっております。

    クロシマノコギリの18g出ましたね!やはり、18g級になると迫力が違うな~というのが写真からもよく伝わりました。

    ちなみに、うちのクロシマは3か月で11g→18gまでアップです。虫吉マットは本当に大きくなりますね。18gのほかに、17gが2頭と15gが2頭、14gが8頭ほどおりますので羽化が非常に楽しみです。気温が高くなるとマットの上の方に上がってきやすくなるので十分注意して見守りたいと思います。

    クロシマのブリードを通年してみて感じたのですが、やはり初夏前に産卵セットを組んで採取した幼虫が断然大きくなるようです。夏場は高温に注意してしっかり菌糸(うちではブナのみ)で大きく育てて、秋から冬にマットで仕上げる。これが一番型にはまった方法なのかなと思います。

    無事羽化させることができましたら、またご報告させていただきます。

    • 薩摩隼人様

      いつもお世話になっております。
      コメントと飼育のご報告をいただき有り難う御座います。
      ノコギリクワガタとミヤマクワガタの幼虫は、気温が上がり始める6月前後以降になると急に落ち着きが悪くなってしまうのでエサ交換のタイミングが5月中旬から8月にならない様にする事が大型個体の近道かもしれません。
      ※虫吉マットは、無添加に加えて含水率も高く無いので持ちが長いです。ノコギリクワガタの場合、4から5月に交換して夏が終わるまで少々のズボラ飼育でも問題無いと思います。
      (愛媛のお客様も同様の方法で70ミリのクロシマノコギリを羽化させておられます。春に交換した際に14gの幼虫が秋の終わり頃に70ミリで羽化したそうです。)

      大きな幼虫が沢山いる様ですので季節(気温)と食い上がり方との相談になりますがズボラの引っぱり飼育を試されてみても面白いかもしれません。
      ※余り長く引っ張り過ぎるとマットが緩んで蛹化しなかったりブカブカの大きな蛹室を作って変形しやすいので注意が必要です。
      (古いマットボトルは、新品に比べて軽く感じます。)

      飼育等でご不明な点が御座いましたらお気軽にお問い合わせください。

      宜しくお願い致します。

      • すみません 横レス失礼します。
        広島の松村と申します。
        ノコギリとミヤマの話が出ていたので、私も相談させてください。
        当方も2015年孵化のミヤマとノコギリが今年中には成虫になりそうな勢いです。
        2015年末から2016年の3月までは無加温で育て、今年に入ってから大型発泡スチロールの簡易温室で16度から18度の間で飼育中です。加温しだしてから1か月ぐらいになりますが、ミヤマの中に落ち着きが悪い個体がいます。
        特に大きい個体に目立つような気がして 日々気が気ではありません。
        マットから出ているものを 再度マットに穴を開けて潜らせているのですが、2,3日後にはまたマットの上に出てきているのです。0度近い温度から15,6度まで上げたのが2月初旬でした。急激な温度変化でストレスになったのかと思えば、そうでもない個体もいます。けっこう大きな発泡スチロールですが、かなりの数がはいっているので、けっこうぎゅうぎゅうです。ネットを調べると酸素不足?との記述もありますが、それは発酵マット?だからだとか、情報もたくさんあって、どれも間違いで正解のような気がして、初挑戦のため少しの変化でも気になってしまいます。
        これがハードルが高いと言われるミヤマの洗礼か? 20グラムほどになっているまだまだ白い個体がマットから出ているのを見るとガックリきます。
        同じ発泡スチロール内で、ノコとヒラタも飼っていますが、そちらは全く問題なしです。
        気づき等あれば教えていただきたいのです。よろしくお願いします。

        • 松村様

          いつもお世話になっております。
          コメントありがとうございます。
          ミヤマクワガタは、元々が低温の場所に生息するクワガタなので他のクワガタと同じ様に加温してしまうとボトル内温度が上がってしまい極端に落ち着きが悪くなってしまうので避けていただく事をお勧めします。

          因にマットや菌糸ビンは、見えない菌糸やバクテリア、土壌菌などの集合体です。
          勿論、それらは、気温が上がれば上がるほどクワガタ以上に酸素を消費します。(同時に発熱します)
          加温飼育の際にエアコンではなくスチロール箱などの密閉性が高い状態にしてしまうと酸素不足で窒息してしまいボトル内の環境が変化してしまいます。

          ミヤマクワガタは、これらの環境の変化と温度の上昇に特に敏感なので加温飼育を避けて真夏の冷房のみで飼育される事をお勧めします。
          確かに温度の上昇は、エサの環境にも影響を及ぼすので夏場に冷房で冷やす分には特に問題無いのですが真冬の加温の際の温度の上げ方が難しいのも事実です。

          折角、70ミリを狙える大きさまで育ったのに加温したばかりに小型化してしまうのは少し勿体無い感じがします。
          ※松村様のお察しのとおり、0度から18度への急激な温度変化が相当な影響を与えてしまったのも事実だと思います。

          ミヤマは、真冬の無加温飼育もしくは加温の際は、温度を下げて交換頻度を下げる方が良いかもしれません。
          昔、ミヤマクワガタの大型個体の羽化情報でご紹介しましたが春に交換して秋まで交換無しで引っ張る『引っぱりズボラ飼育』が上手くハマります。
          ※当店では、夏場と加温環境などの高温下でのエサ交換を避ける様にお願いしています。

          それと前回のブログ(ヒラタクワガタなどの菌糸ビン交換)で投入直後の温度を下げる様に紹介していますがミヤマクワガタの場合、交換直後に加温飼育をすると高確率で潜れなくなってしまうので常温(無加温低温)で飼育される事をお勧めします。

          飼育等でご不明な点が御座いましたらお気軽にお問い合わせください。

          宜しくお願い致します。

          • お返事ありがとうございます。
            昨年の夏場は、ペットボトル氷でうまく飼育温度を抑えることができました。加温で同じ状態に持っていけば、うまく成長すると思っておりましたが、ちょっとマズイかもですね。土中のバクテリアの件 おっしゃる通りだと思います。
            虫吉様の飼育スペースはエアコン管理の18度でしたね。確かに発泡スチロールの18度とは環境が全く違うでしょう。
            さっそく温度を落とし、それでも落ち着かない場合は残念ですが、常温に戻します。お返事ありがとうございました。

          • 松村様

            いつもお世話になっております。
            お返事ありがとうございます。
            確かにミヤマクワガタの幼虫飼育方法は、色々なサイトの情報があって絞りにくいのも事実です。
            ※因に過去に菌糸ビンに入れてしまい大変な事になったというご報告をいただいた事もあります。

            飼育方法でご不明な点が御座いましたら事前にメールでお問い合わせを頂けると飼育の細かいポイントをご案内致します。
            兎に角、今はミヤマとノコギリは、常温飼育に切り替えていただく事をお勧めします。
            ※幼虫期間が長いほど大型化しやすい種類です。

            今後とも宜しくお願い致します。

        • ミヤマは、温度を下げてあげてください

          • 匿名様

            私のお返事と前後してしまいましたがコメントありがとうございます。
            ミヤマクワガタの70ミリオーバーを育てる方法は、「如何に温度を上げる」では無く「如何に下げる」かが重要になりますので。

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