今日の福岡県福津市(北部九州)は、天気が良く過ごしやすい初夏の一日でした。
今回は、昨日行ったトクノシマヒラタクワガタの幼虫の割り出しの様子を紹介したいと思います。
※今年の3月20日に組んだ産卵セット(加水した産卵木をマットで埋め込んだ容器)です。
画像は、産卵に使用したコバエ防止飼育ケース(中)の底の様子です。
分かりにくいですが幼虫(左下)と卵(中央の少し右下)が確認出来ます。
★2018年3月21日追記:【産卵方法を紹介した記事】
※産卵効率をアップさせる為、餌にはブラウン黒糖ゼリーやホワイト高タンパクゼリーなどの合成保存料や香料、着色料が一切入っていない国産昆虫ゼリーを与えています。
飼育容器をひっくり返した様子です。
小さな丸い卵と孵化したばかりの小さな初齢も見えます。
産卵用マットから出て来た3匹の初齢です。
左の一番大きな個体は、二齢への脱皮が近付いた初齢です。
出て来た幼虫は、指でつまむよりも画像の様に交換用のスプーンを用いて一時管理用カップへ移動させた方が潰さずに済むので安心です。
画像は、初齢(写真の左)と二齢(写真の右)です。
卵から孵化した後、初齢(一齢)→二齢→終齢(三齢)と2回の脱皮を繰り返す度に頭部と体が見違えるように大きくなっていきます。
※産まれたばかりの数ミリの小さな初齢を大きく育てるのが大型個体作出の醍醐味かもしれません。
こちらは、今回のセットに使用したクヌギ産卵木LLサイズです。
LLサイズは、柔らかめの物が多いのでトクノシマヒラタの爆産を狙う為に使用してみました。
画像は、朽ち木の側面に産み付けられた卵です。
朽木を削った屑で綺麗に埋め戻されているのが分かります。
卵は、孵化が近づくにつれて丸みを帯びて膨らみます。
朽ち木の表面付近の浅い層で見つけた初齢です。
画像の様に食い進んで出来た後方の空洞を木屑や糞で埋め戻しながら移動します。
なので幼虫がいる朽木には、必ず食痕(食べた痕)が残ります。
こちらも食痕と共に出て来た幼虫です。
木目に沿って綺麗な食痕が見えます。
画像の左は朽ち木、右はマットから出て来た初齢です。
皮膚が透き通っているので腸内に入っている食べ物で体色が変化します。
※この時点では、朽ち木が肌色でマットが黒ですが後から別の色の物を食べた時点で色が変化します。
芯の付近にも複数の幼虫が食い込んでいました。
産卵セットの割り出しは、1回で全部の初齢や卵を回収するのが不可能に近いです。
割りカス(使用したマットと朽ち木片)は、上記の画像の様に再び飼育容器に戻して保管します。
約4週間から1ヵ月後に再びひっくり返して幼虫を回収します。
卵も一緒に埋め込んでおけば、異常がなければ1ヵ月後に確実に孵化して育っています。
※卵は、個別に管理されるよりもこちらの方が安全です。
なお、割カスを入れて飼育ケースには、種類や産地などの情報と割り出し日を記載しておくと管理しやすいです。
今回は、全部で23匹(マットから10匹、朽ち木から13匹)の幼虫が出てきました。
※卵も20個前後確認したので全部で40匹以上になると思います。
割り出した幼虫は、一時管理用カップに無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れてから蓋を閉めて保管して4から7日後ほど異常の有無を確認するために養生させます。
その後に二齢になった物からブナ菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光ボトル500c超固詰めタイプへ仕様変更)に入れます。
割り出し直後に菌糸ビンに入れると弱った個体がいた場合に死んでしまってエサのロスが発生するので余りお勧めしません。
なお、カップには幼虫管理ラベルを貼るスペースがありません。
ビニールテープかマスキングテープに種類や産地などの情報と割り出し日を記載して1匹(1個)ずつ貼っておくと管理ミスを防げます。