今日の九州北部は、少し汗ばむ様な晴れの天気でした。
週明けから天気が崩れ、いよいよ梅雨入りする可能性も高いです。
毎年の事ですが梅雨は、大雨が心配です。
一人で深夜の採集に出掛けて大雨で増水した池に落ちたり、家が床下浸水しそうになったり・・・恐ろしい記憶しか有りません(汗)
前置きが横道に逸れてしまいましたが今回は、夕方に行ったトカラノコギリクワガタ(中之島産)の産卵ケースの割り出しの様子をご紹介したいと思います。
画像は、3月下旬に組んだトカラノコギリクワガタの産卵のセット(産卵木を埋め込んでセットした容器の事)を引っくり返した様子です。
※大きな2匹の幼虫は二齢でその他の小さな幼虫は初齢です。
◆トカラノコギリクワガタ(中之島)の産卵方法を紹介した記事>>>
このセットは、飼育容器の底の方(産卵用マットをプレスした部分)に集中して産卵しており、画像の様に沢山の幼虫と卵が密集していました。
※その代わり朽ち木からは、余り出て来ませんでした・・・。
なお、ブラウン黒糖ゼリーやホワイト高タンパクゼリーなどの合成保存料や香料、着色料などが一切入っていないタンパク質強化配合タイプの国産昆虫ゼリーが産卵に適しています。
画像は、トカラノコギリの卵(下)と孵化して間も無い初齢(上)です。
孵化したばかりの幼虫は、数ミリの大きさでお腹の中に未だ何も入っていないので透き通っています。
マットの固まりを壊して出て来た幼虫です。
一番手前の頭が大きな幼虫は、初齢から二齢へと脱皮したばかりの幼虫です。
脱皮したばかりの幼虫は、体の大きさは脱皮前と余り変わらずに頭部だけが何倍も大きくなった状態になります。
脱皮して頭部が濃いオレンジ色になって固まると大きな頭部を利用して食べる量も増え、より大きく育って行きます。
この状態が終齢(三齢)への次の脱皮まで続きます。
大きく育った二齢(左)と初齢(右)です。
1回の脱皮の差ですが大きさの違いは一目同然です。
マットを固めた層(朽ち木の下の層)に潜り込んでいた幼虫です。
今回は、珍しく朽ち木に余り反応しなかったのですがノコギリクワガタなどの根食い系は、障害物の下に産卵する事が有るので根っこに見立てて朽ち木を保険程度で入れておいた方が良いと思います。(個人的な意見ですが)
トカラノコギリの卵です。
卵は、個別管理を行うと面倒な上に雑菌や乾燥の心配が出て来ます。
そこで飼育容器に割った後のマットと一緒に戻して埋め込んでおくと勝手に孵化して育つので楽です。
産卵セットは、1回の割り出しで全部の幼虫を回収出来ないので割りカス(産卵セットに用いたマットと朽ち木片)は、飼育容器に戻して4週間から1ヶ月ほど保管される事をお勧めします。
先のご説明のとおり、卵も一緒に埋め込んでおくと4週間から1ヶ月後には孵化して、ある程度の大きさまで育っているので引っくり返して回収すると良いです。
※今回は、確認出来た数だけでも20個ほどの卵を埋め込みました。
なお、割カスを入れた飼育ケースには、テープやメモ用紙に種類や産地などの情報と割り出し日を記載して貼り付けておくと確実に管理ができます。
今回は、18匹の幼虫を回収しました。
割りカスの中に戻した卵を加えると最終的には40匹くらいの数になると思います。
1回目の割り出しで卵が多い産卵セットの割りカスからは、最初に割り出した幼虫の数を大きく上回る幼虫が出てくる事が有ります。
最近、虫吉では親虫のメスが幼虫を捕食(子供食い)する前に早めに割り出す様にしています。
なので割りカスから30から40匹を上回る幼虫が出て来て驚かされます。
割り出した幼虫は、一時管理用カップに無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて5から7日ほど養生させて二齢まで育った物からブナ菌糸ビン550ccに入れると良いです。
(現在は、「ブナ遮光ボトル500cc超固詰めタイプ」に商品の仕様変更が発生しています。)
※割り出し時の傷や虚弱や異常がある幼虫を見極める為に様子を見た方が餌のロスを減らす事が出来ます。
初齢のままだった場合は、二齢になるまで更に数日待ってから菌糸ビンに入れても遅くは有りません。
なお、カップには、幼虫管理ラベルを貼るスペースが無いのでビニールテープかマスキングテープに種類や産地などの情報と割り出し日を記載して1匹(1個)ずつ貼っておくと管理ミスを防止できます。