アマミノコギリやヤクシマノコギリなどノコギリクワガタの仲間の羽化情報

今日の福岡県福津市(九州北部)は、梅雨の晴れ間の少し蒸し暑い一日でした。
※但し、日中と夜間の温度差が大きく夜になると少し肌寒く感じます。

今日も前回に引き続き、最新羽化の新成虫をご紹介をしたいと思います。

今回は、ノコギリクワガタの仲間の羽化を紹介します。

アマミノコギリ76.5ミリ

画像は最新羽化のアマミノコギリクワガタの激湾曲系の大水牛76ミリ(76.5ミリ前後)の特大サイズのオスです。

今年の1月以来の大型個体です。

この個体は、2015年秋に天然のメスで産卵セットを組んで産まれた幼虫を育てたもので羽化までに1年半ほど掛かっています。

※2015年11月上旬に割り出した産卵セットの割りカスから採取した幼虫です。

■下記のエサ交換のリレーで羽化させました。

  • 1本目(2015年12月13日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年2月28日、終齢初期):ブナ菌糸ビン850cc
  • 3本目(2016年5月13日、終齢):無添加マットボトル850cc(無添加虫吉幼虫用マット
  • 4本目(2016年10月8日、終齢):同上

→2017年3月に前蛹(サナギの直前段階の幼虫)になっていたので4本目の交換は無しです。

→2017年4月14日にサナギになっているのを確認→2017年5月20日羽化です。

冬から春は、18から20度前後の少し低めの温度での飼育につき、前蛹とサナギの期間が長くなり羽化までに少し時間が掛かっています。

※4本目の交換以降は、少しズボラの様に感じますが実際は、朝晩の気温の低下の影響で蛹室を作ってから前蛹になるまで1ヶ月前後かかっていますので交換をせずに様子を見ています。

なお、3本目からは終齢での菌糸ビンの暴れ(掻き混ぜ)を起こして縮まない様に無添加虫吉幼虫マットでストレスを与えない飼育方法へ切り替えました。

このマットは、一般的な添加剤による強制発酵のものと異なり、残留添加剤の成分による腐敗を伴う発酵ガスや発酵熱が一切発生しないため幼虫にとって安心安全です。(ガス抜き不要です。

劣化が遅く持ちも良いので思いっきり強く押し詰めておくと、今回の飼育例の様に確実に4ヶ月に1回の交換頻度で済むので交換時の幼虫へのストレスも軽減できます。

また、固く詰め込んだ方がマットの緩みによる肥大化蛹室で寝返りを打てずに蛹の変形や羽化不全を起こしてしまうというリスクも軽減できます。

無添加虫吉幼虫用マットの説明書(クワガタ版)>>

今回紹介の個体は、未だ翅が柔らかいので今月末か7月の出品になるかもしれません。

ヤクシマノコギリ63.9ミリ

こちらは、1匹だけ早期羽化していたヤクシマノコギリクワガタの水牛63ミリ(現時点で63.9ミリ)の特大サイズです。

アゴの湾曲が効いたバランスの良いカッコいい個体だと思います。

私達が羽化させた繁殖個体の記念すべき第一号です。

※勿論、パーソナルベストです。

アゴが太く、胴体がスマートなので逆三角形の体型です。

昨年の夏に入荷した天然個体を産卵させて産まれた幼虫を育てて羽化させました。

■下記のエサ交換で羽化させました。

  • 1本目(2016年10月10日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年12月29日、終齢):無添加マットボトル850cc

→2017年5月に蛹になっているのを確認→2017年5月30日羽化です。

菌糸ビンで一気に終齢まで育ててからマット飼育へ切り替えてじっくりと育てた方が大型化しやすいです。

菌糸ビンからマットへの切り替え飼育について>>

今年1月のマット交換の際に16グラムの超特大幼虫がいた記憶が有りますので更なる大型個体の羽化が楽しみです。

今回ご紹介の個体は、未だ翅が柔らかい事に加え、メスの羽化確認待ちなので天然個体の方が先に入荷するかもしれません。

※天然個体は、天候次第になりますが6月中旬から下旬に掛けて入荷すると思います。

クロシマノコギリ63ミリ

こちらは、同じく最新羽化のクロシマノコギリクワガタの激湾曲系の水牛63ミリです。

先ほど紹介したヤクシマノコと殆ど同じサイズですが明からに体全体が太くて丸みを帯びています。

気性が荒く、メスを一緒に飼育すると高確率で真っ二つにされてしまいます。

産卵時の交配(ペアリング)の際は、オスのアゴを縛る方法で行う必要があります。

■下記のエサ交換で羽化させました。

  • 1本目(2016年5月19日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年9月5日、終齢):無添加マットボトル850cc
  • 3本目(2016年1月17日、終齢):同上

→2017年5月11日にサナギになっているのを確認→6月1日羽化。

少し交換が間延びしてしまった感じも有りますが、基本的に菌糸ビンは3ヶ月毎、マットは4ヶ月毎の交換で大丈夫です。

今回の羽化チェックでは、もう1匹大きめの個体が羽化していました。

クロシマノコギリ66.9ミリ

こちらの写真は、最新羽化のクロシマノコギリ(現時点では66.8ミリ)の特大サイズです。

■エサ交換のリレーは下記のとおりです。

  • 1本目(2016年5月27日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc
  • 2本目(2016年9月5日、終齢):無添加マットボトル850cc
  • 3本目(2016年1月17日、終齢):同上

→2017年5月11日にサナギになっているのを確認→5月27日羽化。

今後の更なる大型個体の期待が膨らみます。


アマミノコギリやヤクシマノコギリなどノコギリクワガタの仲間の羽化情報” への2件のコメント

  1. 虫吉 小澤様
    いつもお世話になります。家の虫吉さんで購入したヤクシマノコギリの子ども達は菌糸瓶550cc→無添加マットボトル(4月下旬に交換)で今3令です。交換のタイミングを教えて頂いたお陰ですくすく育っているようです。
    早期羽化しない様次回交換の9月まで様子見ですが。。
    ブログの様な立派な個体になってくれるのを祈るばかりです。

    • YS様

      いつもお世話になっております。
      クワガタ工房 虫吉です。
      コメントありがとうございます。

      今回の個体は、早期羽化の割りに立派で形が良いので少し驚きました。
      ※思わず写真ギャラリーに追加してしまいました。

      当店の飼育結果及びお客様からのご報告の限りでは、ノコギリ系の場合、4から5月迄にマット交換を済ませて夏の交換を省略した方が明らかに大型化している様です。
      但し、関東は梅雨明け後の気温が高くなるので温度の上昇にはご注意ください。

      今後とも宜しくお願い致します。

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