今日の福岡県福津市は、梅雨らしい雨の一日で夜になると雷を伴う激しい雨が降りました。
今回は、トカラノコギリクワガタ(中之島産)の産卵セットの割り出しを紹介したいと思います。
画像は、5月上旬に組んだ産卵セット(加水した産卵木をマットで埋め込んでセットした容器)をひっくり返した様子です。
マットから卵と初齢が見えています。
幼虫が見え始めた時点で親虫による幼虫の捕食を防ぐ為、数日前に予めメスを取り出しています。
使用した主な飼育用品は、下記のとおりです。
・飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)
・マット(土):産卵用マット
・朽ち木:クヌギ産卵木(M)
・餌:国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料は不使用)
◆産卵方法を紹介した記事>>>
マットから出て来た初齢と卵の拡大画像です。
産み付けられた卵は、孵化するとマットを食べながら成長して行きます。
卵は、保管するのが面倒な場合は、割りカス(割り出し後のマットと朽ち木片)と一緒に再びケースに戻しておくと勝手に孵化しますので4週間から1か月後にひっくり返して幼虫を回収すると楽です。
1回の割り出しで全部の幼虫や卵の回収が厳しいので割りカスは、再び容器に戻して『種類』と『割り出し日』をテープに記載して貼っておくと管理が楽です。
※個体差や環境にもよりますが朽ち木から出てくる場合とマットのみから出てくるパターンに分かれます。
虫吉では、念のため朽ち木を埋め込む方法を採用しています。
画像は、朽ち木を齧っている幼虫です。
幼虫は、朽ち木に付着したマットの中にもいる事が多いので勢い余って潰さない様に注意が必要です。
写真は、トカラノコギリの初齢(左)と二齢(右)です。
孵化した幼虫を初齢(一齢)と呼び、次の脱皮で二齢へと変化します。
二齢が脱皮すると終齢(三齢)と呼ばれる最終段階の幼虫へ変化します。
脱皮するたびに大きくなって行きます。
終齢は、前蛹と呼ばれる蛹の前段階を経て脱皮して蛹になります。
※勿論、サナギは脱皮して成虫へと変化します。
成虫になると大きくなる事は無いので割り出してからの飼育で如何に大きく育てるかが重要になります。
幼虫の移動は、手で摘まむよりもエサ交換用のスプーンを使うと安全です。
出て来た幼虫は、後からご説明する一時保管用カップに入れておきます。
※カップは、使い回しができるので常に20から50個(2から5組)ほど準備しておくと役に立ちます。
今回の割り出しでは、画像の17匹の幼虫と割りカスに埋め戻した12個の卵を発見できました。
カップには、画像の手前の様に無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて蓋をして5日から7日ほど保管して出来れば二齢でブナ菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光菌糸ビン500cc超固詰めタイプへ商品の変更あり)に入れます。
※割り出し時に傷を負ったり、虚弱な幼虫がいないか見極める為の日数が必要です。
弱った幼虫をボトルに入れてしまう途中で死んでしまいエサのロスが発生する場合もあります。
カップには、幼虫管理ラベルを貼るスペースが無いのでビニールテープかマスキングテープに種類や産地などの情報と割り出し日を記載して貼っておくと管理ミスを防げます。