久しぶりの更新になります。
毎年の事ですが夏のシーズン中の飼育作業は、店長(兄)にお願いしている関係で羽化や飼育情報をお伝えできずに申し訳ありません。
※店長はブログの操作が苦手の様です。
いよいよ本格的な『幼虫飼育の秋』に突入しましたので今回は、先日行ったトクノシマノコギリクワガタの産卵セット(加水した産卵木をマットで埋め込んでセットした容器の事)の割り出しの様子をお伝えしたいと思います。
画像は、7月下旬に組んだトクノシマノコギリのセットをひっくり返した様子です。
★使用した主な飼育用品は、コバエ防止ケース(中)、産卵用マット、クヌギ産卵木LLサイズ、国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料不使用の餌)です。
メスの投入から2ヶ月ほど経過しているので既に大きく育った二齢が沢山見えます。
マットの塊を解してみると大量の幼虫が出てきました。(虫吉産卵マット恐るべし)
※二齢への脱皮が近い大きな初齢もいます。
産み付けられた卵から孵化するとマットを食べて育ちます。
但し、セット内のマットは、時間の経過とともに劣化するので長期間の飼育に向きません。
早めに割り出して菌糸ビンもしくはマットボトルでの飼育へ移行した方が最終的に大きくなりやすいです。
幼虫は、指で摘まむと圧迫や傷で死亡の原因になってしまいますので、エサ交換用のスプーンで一時管理カップまで移動させると安心です。
写真の左が初齢、右が二齢です。
1回の脱皮で頭部(オレンジ色の部分)が一気に大きくなります。
また、胴体もより大きく育つ事が可能になります。
こちらは、マットの中から出て来た卵です。
卵は、個別に保管すると管理が面倒なので割りカス(割り出し後のマットと朽ち木片)と一緒に容器に埋め戻しておくと管理が楽になります。
※1ヶ月ほど経過して再び容器をひっくり返してある程度の大きさに育った幼虫を回収する感じになります。
朽ち木の端を少し割って出て来た幼虫です。
体(腸内)の色が朽ち木の肌色っぽい感じになっていますが特に異常ではなく、腸内にたまった食べ物の色が透けて見えているだけです。
※マットを食べると黒っぽくなります。
朽ち木の破片から出て来た二齢です。
クヌギ産卵木LLサイズは、柔らかい部分が多い物が多いので爆産狙いに最適です。
※通称、爆産材なので沢山殖えて欲しくない場合は避けて下さい。
(クヌギ材Sサイズもしくは、Mサイズでも大丈夫です。)
木の中心付近にも木目に沿って沢山の食痕(喰い進んだ坑道の痕)があります。
木が大きいので本当に割りごたえがあります。
真っ二つに割ったもう一方の面からも沢山の食痕と初齢や二齢が出てきました。
1回の割り出しで全部の幼虫を回収できないので割りカス(割り出し後のマットと朽ち木片)は、再び飼育容器に戻して保管される事をお勧めします。
割カスを入れた飼育容器には、テープかメモ用紙に種類や産地などの情報の他に割り出し日を記載して貼っておくと管理しやすいです。
割り出しの際に出て来た卵も一緒に埋め込んでおくと勝手に孵化しますので4週間から1ヶ月経過してから再び容器をひっくり返して幼虫の確認と回収を行ってください。
今回の割り出しの結果です。
全部で44匹の初齢と二齢を回収できました。
(卵は、割りカスに戻したのでカウントしていません。)
一時管理カップに無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて5から7日ほど保管して二齢から優先的にブナ菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光タイプ500ccへ商品の変更が発生)に投入します。
※短期間の飼育なのでカップのマットは固めない状態で食べ易くしたほうが良いと思います。
初齢からでも問題ないのですが傷付いていたり虚弱な個体を見極める為に二齢からボトルに移した方が無難です。
(割り出し直後に菌糸ビンに入れるとエサのロスが発生しやすいです)
※二齢から投入する場合は、カップのまま成長するのを待ちます。
なおカップには、管理ラベルを貼り付けるスペースが無いのでビニールテープやマスキングテープなどに種類や産地などの情報と割り出し日を記載して1匹(1個)ずつ貼っておくと管理ミスを防止できます。