今日の福岡県福津市は、晴れの天気で日中は汗ばむ陽気でした。
但し、夜になると気温が下がり、日中と朝晩の気温差が大きい一日でした。
今回は今週半ばに行ったオキノエラブノコギリクワガタの産卵セット(加水した産卵木をマットで埋め込みセットした容器の事)からの幼虫割り出しの様子を紹介したいと思います。
画像は、8月下旬に組んだ産卵セットをひっくり返した様子です。
複数の小さな初齢や卵も見えます。
■今回、用いた主な飼育用品は下記のとおりです。
- コバエ防止飼育ケース(中)
- 産卵用マット4リットル
- クヌギ産卵木Mサイズ(朽ち木)
- 国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料は不使用)
以上です。
マットを固めた層から出て来た幼虫です。
マットの塊の中に卵を産み付ける傾向が強いので、セット時は底の部分を木製マットプレス等で入念に固める必要があります。
こちらもマットの塊を崩して出て来た幼虫です。
大きく育った二齢が2匹見えます。
初齢(写真左)と二齢(写真右)です。
同じ種類でも1回の脱皮で大きさが全く異なります。
出て来た幼虫は、エサ交換用のスプーンなどで一時管理カップに移動させると潰しのリスクを軽減できます。
こちらの画像は、マットに産み付けられた卵です。
※中央は、大きな頭の二齢です。
卵は、個別に取り出して管理するよりも後半にご紹介する割りカスと一緒に元の容器に埋め戻した方が管理が楽で孵化率も高いです。
孵化して間もない全身が真っ白な初齢です。
※この状態も回収して個別に保管するよりも割りカスの中に埋め戻した方が確実で楽です。(4週間から1か月後には大きく育っているので再度回収します)
こちらは、マットの小さな塊を崩して出て来た幼虫です。
2から3センチくらいの塊の中に二齢と孵化して間もない初齢(卵の殻付き)の合計3匹が入っていました。
マットの思わぬ所に入り込んでいるので小さな塊を壊す際も誤って潰さない様に注意が必要です。
朽ち木からも無数の食痕と共に幼虫が出てきました。
木を割る際は、マイナスドライバーを用いて慎重に行うと良いです。
朽ち木の表面付近にも2匹の幼虫が見えます。
色が違うのは、腸内に溜まった直近に食べたエサが透けて見えているだけなので異常ではありません。
※肌色の時が朽ち木、黒の時がマットを食べていた事になります。
小さな初齢や卵も多いので1回の割り出しで全回収が困難です。
画像の様に元の容器の中に使用したマットや朽ち木を戻して保管する事をお勧めします。
その際に卵や孵化して間もない数ミリの白い幼虫も一緒に埋め戻しておくと管理が楽です。
約4週間から1か月後に再び容器をひっくり返して回収します。
容器には、種類と割り出し日を記載したメモやテープをしっかりと貼って管理してください。
(この作業を怠ると後から種類が不明になってしまいますので注意してください)
今回は、全部で51匹の幼虫を回収できました。
割りカスの中に卵や孵化して間もない初齢も戻したので最終的に60匹を超えるかもしれません。
一時管理用カップには、無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて蓋を閉めます。
この状態で4から7日ほど傷や虚弱な幼虫を見極める為に養生させてから二齢から優先的にブナ菌糸ビン550cc(ブナ遮光菌糸ビン500cc超固詰めタイプへ仕様の変更あり)へ投入します。
※初齢だった場合は、カップの中で二齢まで育ててから投入した方がエサのロスが少ないです。
カップは小さいので虫管理ラベルが上手く貼れません。
ボトルに移し替えるまでは、ビニールテープかマスキングテープに種類(産地)や割り出し日などのデータを1個(1匹)ずつ記載して必ず貼って下さい。
複数の種類を飼育しておられる場合は、面倒でも行わなければ後から何が何だか分からなくなてしまうのでご注意ください。
※勿論、店長と一緒に延々と51枚のテープを記載して貼りました。
★投入の際は、下記の注意が必要です。
画像は、ブヨブヨ病と呼ばれる病気に感染してしまった幼虫の参考画像です。
飼育容器内の環境の悪化により発生した目に見えない真菌の仲間が幼虫の体内に入り込んで消化器官(吸収器官)を破壊してしまい成長できずに死んでしまうとされる致命的な症状です。
画像の様に透明色の個体は、ボトルに入れずにカップの中で様子を見てください。
※脱皮直後は、腸内に余り食べ物が入っておらず、見極めが難しいのでカップの中で5日ほど待ってから様子を見ると良いです。