先週から続いた寒さも漸く緩み始め、週の半ばは少しだけ暖かい日が続きそうです。
今日は、昨年の11月下旬に組んだクロシマノコギリクワガタの産卵セット(産卵木をセットした容器の略称)の割り出しの様子をお伝えしたいと思います。
容器を持ち上げて底を見ると初齢と二齢が沢山見えていましたので早速ひっくり返してみました。
画像は、容器を慎重にひっくり返した様子です。
マットには、沢山の幼虫が出てきていました。
画像に写っていない部分にも零れ落ちています。
画像の様に大きめのコンテナの中にひっくり返すと作業がしやすいです。
●今回使用した飼育用品は、下記のとおりです。
- コバエ防止飼育ケース(中)
- 産卵用マット4リットル
- クヌギ産卵木LLサイズ(朽ち木)
- 国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料は無添加)
・詳しいセット方法を紹介した記事>>>
ひっくり返した際にマットから零れ落ちた初齢です。
頭部の大きさは、未だ数ミリで丸まった状態の大きさも1センチ前後です。
落ちた幼虫は、指で摘まむと潰してしまうのでエサ交換用スプーンを用いて一時管理用カップに入れると安全です。
こちらは、土の塊から出てきた卵です。
卵は、回収して個別に保管するよりも割りカス(使用したマットや木屑)の中に埋め込んでおいた方が確実に孵化します。
4週間から1ヶ月経過して孵化して成長した頃合いを見て回収します。
卵を濡らしたティッシュペーパーの上に並べる方も多いかもしれませんが水分過多や乾燥、水腐れで孵化しない事が多いです。
バクテリアや水分など環境の変化が無い元の割りカスに埋め戻すズボラ流がオススメです。(埋め込む時点で生きていれば確実に孵化します。)
画像は、二齢(左)と初齢(右)です。
1回の脱皮で身体の大きさだけでなく頭部の大きさの違いも顕著に現れます。
写真の手前は、孵化して間もない初齢です。
孵化し頭部が固くなると周辺のマットや朽木の柔らかい部分から食べ始めます。
朽ち木の中に潜り込んでいた幼虫です。
前後に見える細かい粒子を埋め込んだ坑道の様なものは『食痕』と呼ばれる食べた痕跡です。
糞や細かく噛み砕いた木屑を押し固めながら食い進みます。
基本的に産卵木は、マイナスドライバーを用いて割って行くと楽です。
画像の様に朽ち木の端にも幼虫がいる事が多いので手で押さえた際に握りつぶさない様に注意が必要です。
割りカスは、元のケースにに戻して4週間から1ヶ月ほど保管します。
その後に再度ひっくり返して確実に回収してから廃棄処分してください。
※万が一、卵や小さな初齢などが残っていたら生態系の破壊につながりますので屋外への放棄は避けてください。
(幼虫を完全に回収後に生ゴミに出すのがベストです)
割りカスを入れた容器には、後から種類が分かるように必ず種類や産地などの情報の他に割り出し日を記載したメモやテープを貼っておくと確実に管理出来ます。
今回の割り出し結果です。
画像の26匹に加え、割りカスに埋め込んだ卵12個が確認できました。※爆産です。
カップの中に無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れてフタを閉めた状態で4から7日ほど保管します。
その後に二齢から優先的にクヌギ菌糸ビン550cc(現在は、クヌギ遮光菌糸ビン500cc超固詰めタイプへ仕様変更)に投入します。
割り出し直後や初齢を投入すると外傷などの異常個体がいた場合にエサのロスが発生するので避けています。
カップには、管理ラベルが貼りにくいのでボトルに入れるまでマスキングテープやビニールテープに種類や産地などの情報や割り出し日を記載して1匹ずつ貼ってください。
更に確実に管理するためにノートに割り出し日誌を書き残しておく事をお勧めします。
※例)○月○日、種類○○、産地○○、初回割り出し○匹(○月○日の割りカス分から○匹)など。
勿論、途中で死んでしまった場合は、数量をマイナスします。
なお、この方法は種類などの管理だけでなく、数字で残しておく事で実際の飼育数の把握が出来ますのでキャパを超えない為の情報にも役立ちます。