今日の福岡県福津市は、昨日の朝の積雪が嘘の様に晴れの過ごしやすい一日でした。
福岡県は、週明けに一時的に寒くなって来週の半ばから15℃を超える予報が出ています。
今回は、12月の上旬に組んだオキナワヒラタクワガタの産卵セット(加水した産卵木をセットした容器の事)の割り出しの様子を紹介したいと思います。
画像は、ケースの中身をひっくり返した様子です。
寒い冬の加温環境(暖房)につき、メスの投入から割り出しまで2ヶ月程の期間が経過してしまいましたがマットには、数匹の初齢が見えています。
●使用した主な飼育用品は、コバエ防止飼育ケース(中)、産卵用マット、クヌギ産卵木(LL)、国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料不使用)です。
マットの中には、沢山の卵が産み付けられていました。
画像の様に粘土状に固まった箇所に良く産卵します。
セットを組む際に念入りに固めた底の部分になります。
卵は、画像の様に割りカス(使用したマットと朽ち木片)と一緒に元の容器に埋め戻しておくと高確率で孵化します。
4週間から1ヶ月くらい経過すると孵化してある程度の大きさの幼虫に育っているので再びひっくり返して回収すると良いです。
因みに今回紹介の割りカスからは、間違いなく数十匹の幼虫が出てくると思います。
(1ヶ月後に再度回収しますが今シーズンは打ち止めになるかもしれません。)
なお、卵は他の容器に移し替えて保管すると空気に触れて乾燥したり、加湿の際に水分過多で卵が腐って死んでしまう事が多いのでお勧めしません。
マットの塊から出て来た初齢(一齢)です。
今回は、割り出しのタイミングの関係で卵と初齢のみしか出てきませんでした。
出て来た小さな幼虫は、画像の様にエサ交換用スプーンに乗せて一時管理用カップに入れると潰さずに安全に移動できます。
朽ち木の端を削ると卵が出てきました。
(勿論、卵は割りカスと一緒に容器に埋め戻します。)
朽ち木を割る際は、マイナスドライバーやニッパーなどの工具を用いると便利です。
朽ち木を割って出て来た小さな初齢です。
真っ二つに割る際は、幼虫を潰さない様に慎重に作業を行ってください。
今回の産卵木LLは、柔らかいB品を用いたのですが少し軟材気味なので芯部にも沢山の幼虫が潜り込んでいました。
※柔らかいので加水時間は、重しを乗せて15から20分前後で大丈夫です。
細い破片の中にも木目に沿って2匹の初齢が出てきました。
こちらは、同じく細かい破片から出て来た卵と初齢です。
アウトレット産卵木LLは、柔らかい部分の容積が大きいので見た目が悪くても産卵効率が良いです。
初齢や卵は、小さいので最初の一回の割り出しで全部を回収する事が困難です。
なので画像の様に割りカスは、卵と一緒に容器に戻して4週間から1ヶ月保管後、再びひっくり返して幼虫の有無を確認してください。
割りカスを入れた容器には、種類や割り出し日などを記載したデータをテープで貼っておくと後からでも確実に管理が出来ます。
完全に回収した後は、産卵に用いたマットや朽ち木(割りカス)は、必ず自治体の収集ゴミ(週2回のゴミ)に出して処分してください。
●日本の里山の自然を守るために割りカスの野外廃棄は絶対に行わないでください。
今回の割り出し結果は、朽ち木をメインに42匹の幼虫が出てきました。
※割りカスの中には、確認出来た分で23から25個の卵を埋め戻したので全部孵化すると70匹を大きく超えるかもしれません。
オキナワヒラタは、確かに極太系で格好が良いのですが流石に爆産させすぎました。
沢山増えすぎると困る場合は、飼育容器(小)に産卵木(S)を埋め込んで卵が見え始めたり朽ち木が削られ始めた時点で一旦、掘り起こして(ひっくり返して)メスのみを回収して別の容器に移し替えてください。
約3週間ほど経過してセットの中の幼虫を確認すると良いです。
一時管理カップには、無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて4から7日ほど養生させます。
※外傷や虚弱な個体の有無を見極めるためです。
養生期間が終わったら二齢(頭部の幅が3から5ミリ前後)から優先的にブナ菌糸ビン500ccに投入します。
初齢を入れる場合は、腸内が確実に色付いた健康な個体を選択してください。
割り出し直後の幼虫を菌糸ビンに入れると餌のロスが発生するのでお勧めしません。
なおカップには、幼虫管理ラベルを貼るスペースがありません。
ボトルに投入するまでの間、種類や割り出し日等を記載したマスキングテープを1個(1匹)ずつ貼っておくと良いです。