今回は、久しぶりに繁殖方法を紹介したいと思います。
このブログで未だオキノエラブヒラタクワガタの産卵を紹介した事が無かったので先日、行なった作業の様子をお伝えします。
沖永良部島に棲息する離島産の亜種でアゴの裏に微毛が生えてる変わった種類です。
少しマイナーな感じですが実際は、ドッシリとした感じのバランスが良い形の個体が多く、『通好み』の存在です。
ヒラタクワガタに共通して言えることですが羽化して4ヶ月以降のペアで気温が23から28℃前後(終日、日格差が少ない環境)で繁殖可能です。
季節で言うと初夏から初秋(5から9月)が最適です。
※加温飼育の際は、22から24℃なら可能です。
秋以降に羽化した場合、真冬は低温で越冬させた方が産卵効率が上がります。
したがって温度管理ができない場合は、越冬後の5月から6月頃に繁殖させると良いです。
【冬眠時の推奨温度は、5から10度です。】
今回、紹介する情報は、他のヒラタクワガタにも共通なので今年の飼育の参考にしてみてください。
それでは、詳しい方法を説明します。
必要な主な用品は下記のとおりです。
・クヌギ産卵木Mサイズx2本
※餌には、ブラウン黒糖ゼリーやホワイト高タンパクゼリーなどの合成保存料や香料、着色料が一切入っていないタンパク質強化配合の国産昆虫ゼリーが産卵に効果的です。
朽ち木(2本)をバケツに入れて加水しています。
※説明が遅れてしまいましたが作業は、晴れの日に行った方が水切れが良くなるのでお勧めです。
使用前の朽ち木は乾燥しており、プカプカと浮かんでしまうので画像の様に水を入れたペットボトルなどを乗せて重しをします。
スポンジの様にブクブクと気泡が上がっているのが分かります。
〇クヌギ材Mサイズは、材質的に20から30分の加水時間で大丈夫です。
※水切れが悪くなるので1時間以上、漬け込んだままにしないでください。
加水が終わったら日陰干しで6から8時間ほど水を切りを行います。
画像の様に逆さにしたカゴやザルの上に置いた方が水切れが良くなります。
水切りの作業が終わったらステーキナイフで樹皮を剥がします。
※刃物を使うと怪我の恐れがあるので安価な物で構いませんのでステーキナイフがお勧めです。
2本とも樹皮を完全に剥がして構いません。
これで下準備は完了です。
次は、飼育容器へのセットに移ります。
余裕が有れば、事前に梱包用のテープ(透明タイプ)を容器の底に十字に貼って補強して割れ防止対策を行うと良いです。
※光が反射して分かりにくいですが縦横にテープを渡した状態に貼っています。
先ず、コバエ防止飼育ケース(中)に産卵マット(4リットル入り)を約半分の2リットルだけ入れます。
※この分量がクヌギ材Mサイズを2本使った際に余す事無く使い切れる目安です。
押し固める前に撮影した、2リットルだけ入れた時の参考画像です。
木製マットプレスを用いて底の部分を押し固めます。
体重をかけ過ぎて飼育容器の底を割らない様にご注意ください。
なお、割れ防止の為に下に玄関マットを敷いていますが雑誌や折りたたんだ新聞でも代用が可能です。
固め終わったら先ほど下準備をしたクヌギ産卵木(M)を2本入れます。
残り半分のマットを全部入れます。
手で軽く隙間を埋めてセット作りの完了です。
この作業の際は、絶対に上の部分を押さえ付けないでください。
酸欠や嫌気性発酵で卵が死んだりして上手く行かない恐れがあります。
横から見た、イメージ写真です。
綺麗に真ん中に埋め込まれた状態になっています。
※説明しやすくする為、横から見える様に埋め込みましたが容器の側面から朽ち木が見えていなくても問題ありません。
なお、数日後に朽ち木にカビが発生したというお問い合わせを頂く事がございますが飼育上の問題がありませんのでご安心ください。
画像は、セットを組む数日前からペアリング(交配)の為に小さめの容器で同居飼育させている様子です。
オスがメスを挟んで傷つけたり殺してしまう事が多いので念の為、園芸用のグリーン帯でオスのアゴを縛っています。
●画像の飼育用品は、コバエ防止ケース(ミニ)、ココナッツマット、プチえさ皿(現在は終売)、ホワイト高タンパクゼリーです。
ケースには、ペアリング(交配)済みのメスのみを入れます。
季節や気温などの環境にもよりますが、4週間から1ヶ月くらい経過しても卵や幼虫が見えない場合のみオスを3日間ほど再投入して様子を見てください。
●画像の飼育用品は、クヌギの落ち葉、ホワイト高たんぱくゼリーとプロゼリー(共に合成保存料不使用)、16g専用エサ皿です。
※昆虫ゼリーは、合成保存料が一切入っていない国産の高タンパク系の餌を常に与えておくと産卵に有効です。
・割り出しを紹介した記事>>
実際の幼虫の回収の様子を紹介した動画です。