アマミシカクワガタの産卵木の割り出し(幼虫採取)の様子

日が変わってしまいましたが3月6日は、風が強く少し肌寒い一日でした。

但し、日中は日が差して暖かい時間帯も有りましたが冬眠中のクワガタたちの活動は、まだ少しだけ早い感じです。

今日は、夕方から空調管理の繁殖場のアマミシカクワガタの割り出しを行いましたので紹介します。

ケースをひっくり返した様子

画像は、昨年(2017年)12月末に組んだ産卵セットをひっくり返した様子です。

過去の結果を統計的にみると添加剤が入っていない成虫用マットの方が上手く行っているのでナラ産卵木(を2本)を埋め込んでセットしました。

※使用した容器は、コバエ防止飼育ケース(中)です。

詳しい繁殖方法を紹介した記事

産卵効率をアップさせる為、餌にはブラウン黒糖ゼリーホワイト高タンパクゼリーなど、合成保存料や香料、着色料が一切使われていないタンパク質強化配合の国産昆虫ゼリーを与えています。

出て来た二齢

こちらは、朽ち木の埋め込みに使ったマットの中から出て来た二齢です。

今回は、小さな幼虫が何匹もいました。

初齢と二齢

左が初齢、右が二齢です。

※幼虫のサイズは、コクワガタと同じくらいです。

幼虫の成長過程について>>

スプーンで移動させます。

小さな幼虫は、手で持つと潰れてしまう場合もあるのでエサ交換用のスプーンがあると便利です。

朽ち木の断面の幼虫

朽ち木の側面(断面)で見つかった幼虫です。

木の表面を器用に食べています。

朽ち木から出て来た初齢

マイナスドライバーを用いて割ると2匹の初齢が出てきました。

幼虫が喰い進んで出来た木屑が詰まった坑道を食痕(しょくこん)と呼びます。

この種類は、大きく移動せずに居食い(居座り)気味なのが分かります。

木の中の卵

こちらは、木の中に産み付けられた卵です。

大きさは、アンパンのゴマ(ケシの実)くらいです。

卵は、回収するよりも後ほど紹介する割りカス(回収後のマットと朽ち木片)の中に埋め戻しておいた方が孵化率が高いです。

※湿らせたティシュペーパーで管理される方も多いようですが孵化率が低いので埋め戻した方が殺生をせずに済みます。

芯から出てきた初齢

芯に近い部分にも初齢が食い込んでいました。

初齢

年輪に沿ってタケノコの皮の様に割ると薄い破片の中にも2匹の初齢がいました。

朽ち木の中の二齢

こちらは、少し分かりにくいですが朽ち木から出て来た数少ない二齢です。

既にボトルに入れ頃のサイズです。

割りカスを容器に戻します。

卵や初齢は、小さいので幼虫採取後の割カスは、元の飼育容器に戻して保管しておく事をお勧めします。

その際に先に紹介した卵も一緒に埋め込んでおくと勝手に孵化しますので4週間から1ヶ月後に再び飼育容器をひっくり返して幼虫を回収すると良いです。

割りカスを容器に入れる際は、マット→朽ち木片の順で入れた方が収まりが良くなります。

なお、飼育容器には、種類や産地などの情報と割り出し日を記載したテープやメモを貼っておくと確実に管理が出来ます。

23匹の割り出し結果

今回の割り出し結果です。

全部で23匹の幼虫(卵の数は除外)が出てきました。

※卵が無事に孵化すると最終的に30匹くらいになるかもしれません。

カップにマットを入れる

一時管理用カップには、無添加虫吉幼虫用マットを固めずに入れて5日前後保管して傷や虚弱の有無を確認します。

その後に幼虫飼育ボトル500ccに上記のマットを木製プレスでカチカチに押し固めた物に投入します。

※基本的に糞をボロボロと残しながら居食いするので500ccで十分です。

無添加虫吉マットは、一般的な添加剤発酵タイプと異なり、残留添加剤の腐敗に伴う発酵ガスや発酵熱が発生しないので固く詰めても幼虫に安心です。

特にアマミシカクワガタの様に添加剤に弱い種類に最適です。

また、持ちが良いので固く詰め込んだ状態なら4ヶ月毎の交換で大丈夫です。

昨年の11月に割り出した幼虫のエサ交換も近づいているので大きく育っているか楽しみです。

2017年11月の割り出し記事