今回は、トクノシマヒラタクワガタの産卵方法をご紹介したいと思います。
文字通り徳之島に生息する太さと大きさを誇る重量感抜群のカッコ良い種類です。
産卵に適した季節は、初夏から夏(5から9月上旬)がベストです。
天然個体は、すぐに繁殖可能です。
ただし飼育品の場合、気温や季節にもよりますが羽化して概ね4ヶ月以上経過して気温が23℃を超え始めると繁殖可能になります。
基本的に本土産と同じ活動サイクルなの秋以降に羽化した個体は、越冬後が最適です。
それでは、実際のセット例を紹介したいと思います。
こちは、今回使用する主な用品です。
- 飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中サイズ)
- 朽ち木:クヌギ産卵木Mサイズx2本
- 昆虫マット:産卵用4リットル
※現在、飼育ケースの蓋の黒いスポンジは、別売りのフィルターシールに仕様が変わっております。
餌には、ブラウン黒糖ゼリーやホワイト高タンパクゼリーなどの合成保存料、香料、着色料が一切使われていないタンパク質強化配合の国産昆虫ゼリーを推奨します。
まず、最初に朽ち木2本をバケツもしくは洗面器に入れて加水します。
加水は、晴れた日に行った方が余分な水分を飛ばせて容器内を清潔に保てます。
水に浮かんでしまうので画像の様に水を入れたペットボトルを上に乗せて沈め込むと早く水が浸透します。
当店のクヌギ材(Mサイズ)は、少し柔らかめなので重しをした状態で20から30分の加水で十分です。
※水切れが悪くなるので1時間以上の加水を避けてください。
加水が終わったらカゴの上に乗せて日陰干しを行い余分な水分を切ります。
※逆さにしたカゴの上に乗せる理由は、地面から浮かせて効率良く水切りを行う為です。
日陰干しの時間は、6から8時間ほどで大丈夫です。
日陰干しが終わったらステーキナイフで樹皮を全部剥がします。
ステーキナイフが最も安全で簡単に作業が出来る道具だと思います。
2本の朽ち木の樹皮を全部剥がした様子です。
次は、ケースへのセッティングです。
コバエ防止飼育ケース(中)に産卵用マットを半分の2リットルだけ注ぎます。
容器が曇ってしまい少し分かりにくいですが2リットル入れた容器の横からの画像です。
※画像は、固める前の状態です。
この分量(最初に2リットルだけ入れる)が4リットル全量をちょうど使いきれる目安になります。
次に木製マットプレスを用いて押し固めて行きます。
先ほどから緑色の玄関の足ふきを敷いている理由は、この作業の際に容器の底を押し割らない様にする為のクッションにしているからです。
※雑誌や重ねて折りたたんだ新聞でも代用できます。
十分に押し固めたら、先ほど樹皮を剥がした木を2本とも入れます。
画像の様に2本がちょうど良い感じに納まります。
上から残りの約2リットルを全部入れます。
軽く手で押さえて表面を整えます。
酸欠や嫌気性発酵の原因になってしまいますので絶対に上の部分を押さえ付けないでください。
これでセットの完成です。
こちらは、セットを組む数日前からコバエ防止ケース(ミニ)で交配(ペアリング)させていたペアです。
※容器内には、ココナッツマット、高たんぱくワイドカップゼリー、専用エサ皿(1つ穴)を入れています。
天然採集品の小振りなオスを使っているので特に何も行っていませんが大きなオスを使う場合は、保険で園芸用のグリーン帯でオスのアゴを縛っておくとメスが挟み殺されずに済みます。
オスを一緒に入れるとメスの挟まれ事故の恐れがありますので交配済みのメスのみを容器に入れます。
容器内には、クヌギの落ち葉(足場)、国産プレミアム昆虫ゼリー(ホワイト、ブラウン)、プチエサ皿(現在終売)を入れています。
※昆虫ゼリーは、合成保存料が入っていない高タンパク系の餌が産卵に適しています。
冒頭に説明した参考温度(23℃以上)の環境で3から4週間経過しても容器の底に卵や幼虫が見えない時だけオスを3日ほど容器内に投入して様子を観ると良いです。