明日も大型の台風25号が九州に接近する予報が出ており今日は少し蒸し暑い、ぐずついた天気でした。
今回は、8月中旬に組んだ天然サキシマヒラタクワガタの産卵セット(加水した産卵木を埋め込んでセットした容器)の割り出しの様子をお伝えしたいと思います。
※今年の夏は、久し振りに天然個体が入荷したのですがコンディションがイマイチだったので仕方なく繁殖に回しました。
画像は、8月18日に組んだセットをひっくり返した様子です。
数匹の初齢と卵が見えます。
●使用した主な飼育用品は下記のとおりです。
- コバエ防止飼育ケース(中)
- 産卵用マット4リットル
- 国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料は不使用)
- クヌギ産卵木Lサイズ(朽ち木)
落ちた幼虫は、エサ交換用スプーンで掬い上げて一時管理用カップに移すと良いです。
孵化したばかりの初齢です。
まだ身体が真っ白です。
カップに入れても消滅するかもしれないので割カス(使用したマットと朽ち木片)と一緒に元の容器に戻しました。
卵の画像です。丸みを帯びて孵化が近づきつつあります。
こちらも割カスの中に埋め戻します。
※回収して保管するよりも孵化率が高いのでオススメです。
産卵木の表面をマイナスドライバーで少し削っただけて初齢が出てきました。
体の色が肌色の理由は、直前に食べて腸内に溜まった朽ち木が透けて見えているだけなので異常ではございません。
※マットを食べた場合、黒っぽい色になります。
幼虫を潰さないように注意しながら大きく割ってみると複数の初齢が姿を現しました。
細い朽木片の中にも初齢が入り込んでいました。
初齢は、小さいので細かく割りながら探す必要があります。
(同じ破片からもう1匹出てきました。)
朽ち木の芯の付近からも無数の食痕(食い進んだ痕跡)と共に初齢が出て来ました。
こちらの画像は、初齢から二齢へと脱皮途中の様子です。
頭部の殻が割れているのがわかります。
脱皮途中の場合は、埋め込んでしまうと脱皮不全を起こす恐れがあるのでカップに幼虫マットを予め入れて、その上に置きます。
数分後には、脱皮が進んで新たな(真っ白な)身体が姿を見せ始めました。
あとは、蓋を閉めておくと脱皮後に頭部が色付き次第、勝手に潜って行きます。
卵や初齢は、小さいので一度の割り出しで全部を回収するのが困難です。
割りカスは、再び元の容器に戻して4週間から1ヶ月後に再びひっくり返して幼虫を完全に回収してください。
前述のとおり、卵や孵化直後の物も一緒に埋め込んでおくと勝手に育っているので管理がしやすいです。
※割りカスを入れた容器には、必ず種類や産地などの情報と割り出し日を記載しておくと完璧に管理できます。
今回の割り出しで出てきた初齢27匹です。
※割りカスに戻した卵や小さ過ぎる初齢を合わせると30匹を超えると思います。
一時管理用のカップに無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて4から7日前後養生させます。
その後に傷や虚弱の有無を見極めて二齢からブナ菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光タイプ500ccへボトルの仕様変更)に投入する予定です。
※割り出し直後や初齢をいきなり投入すると異常個体を投入した際にエサのロスが発生するのでお勧めしません。
カップには、ビニールテープやマスキングテープに種類や産地、割り出し日を記載して1匹ずつ貼っておくと管理ミスを防げます。
他にもセットを組んでいますので来シーズンが楽しみです。