2018年12月のヤクシマスジクワガタの産卵木の割り出し(幼虫27匹が出ました)

今日の福岡県北部は、あいにくの雨の1日でしたが先週末の小雪が舞う真冬の寒さは少しずつ緩んでいる様です。

今回は、週末に行ったヤクシマスジクワガタの産卵セット(産卵木をセットした容器の略称)の幼虫割り出しを紹介したいと思います。

この種類は、屋久島の標高が高い地域に生息するスジクワガタの亜種で極端に流通量が少ない国産激レア種の一つです。

赤みが強い個体が多く、アゴの形状も本土産の種類に比べてシャープな感じです。

産卵セットをひっくり返した様子です。

画像は、今年の10月上旬に組んだセットをひっくり返した様子です。

産卵方法は、本土産と全く同じで、少しコツが必要ですが無添加虫吉幼虫用マットにクヌギ産卵木Sサイズ(現在は終売につきMサイズへ仕様変更)を2から3本ほど上手く埋め込む感じです。

※産卵効率をアップさせる為に餌には、ホワイト高タンパクゼリープロゼリーなどの合成保存料が一切入っていない国産のタンパク質強化タイプの昆虫ゼリーを推奨します。

詳しいセット方法を紹介した記事>>

二齢と初齢

画像は、二齢と初齢です。

※大きな二齢の間にいる小さな数ミリの個体が初齢です。

(初齢は、5ミリ以下です)

クワガタの卵から羽化までの成長過程について>>

マットの塊から出てきた二齢

マットの塊を少し壊すと断面から二齢が姿を現しました。

小さな初二齢

更に別の塊を砕くと小さな初二齢が出てきました。

スプーンを用いてカップに入れます。

小さな幼虫は手で摘むと潰してしまう恐れがあるのでエサ交換用スプーンを用いて一時管理用カップに入れると良いです。

使用した3本の産卵木です。

今回、使用した3本のクヌギ産卵木(S)です。

※前述のとおり、Sサイズは終売です。

断面から食痕(食い進んだ痕跡)が見える朽ち木もあります。

マイナスドライバーで朽ち木の表面を削る

幼虫を潰さない様に慎重にマイナスドライバー(工具)で朽ち木を削ると早速、二齢が出てきました。

産卵セットを組んでから既に2ヶ月以上経過しているので朽ち木が程よく朽ちて柔らかくなっています。

朽ち木を真っ二つに割った様子

朽ち木を真っ二つに割ってみると食痕と共に無数の小さな初齢が出てきました。

他の朽ち木から出てきた初齢と二齢

他の朽ち木からも同様に小さな初齢と二齢が出てきました。

割カスを保管します。

いつもの事ですが、初齢や卵は一回の割り出しで全部回収する事が困難です。

なので産卵に用いたマットと朽ち木片(割カス)は、元のケースに戻して4週間から1ヶ月ほど保管した後に再度ひっくり返して回収してください。

幼虫は、小さいので1ヶ月後の確認で良いと思います。

割カスを入れた容器には、テープかメモ紙に種類や産地、割り出し日などの情報を記載して貼っておくと完璧に管理できます。

割り出し結果です。

今回の割り出し結果です。

初齢と二齢を合わせて27匹を回収できました。

カップにマットを入れて保管

一時管理用のカップには、無添加虫吉幼虫マットを固めずに入れて蓋を閉めます。

カップには、管理ラベルを貼るスペースが無いのでビニールテープやマスキングテープに種類や産地、割り出し日などの情報を1匹(1個)ずつ記載して貼っておくと管理ミスを防げます。

話は、飼育に戻りますがカップに入れた状態で割り出し時の傷の有無や虚弱な幼虫を見極めるために4から7日ほど養生させてから二齢から優先的にボトルに投入します。

割り出し直後にボトルに入れてしまうと万が一、弱っている個体が含まれていた場合、確実にエサのロスが発生してしまうのでオススメしません。

なお、今回は、550ccボトル(現在は、遮光クリアボトル500ccへ仕様変更)に無添加虫吉幼虫マットを木製プレスでカチカチに超固詰めした物に投入する予定です。

上記のマットは、添加剤が一切入っていませんので発酵ガスや発酵熱が発生しないので固く詰め込んでも安心です。

持ちが良いので交換頻度を思いっきり落とした超ズボラ飼育が可能です。

温室などで過度な加温をしない限り、超固詰めの状態で確実に4ヶ月に1回の交換で済むと思います。