2018年も残り1週間を切り、虫吉の年内の業務も27日、28日の2日間を残すのみになりました。
先日のブログでお伝え出来なかった年内最後のクワガタの羽化チェックで確認した大型個体の情報をお伝えしたいと思います。
画像は、2018年12月上旬羽化の壱岐産ノコギリクワガタの超特大71ミリ(約71.5ミリ)のオスです。
本土のものよりも大型化しやすい様で少し前に72ミリが羽化しています。
大アゴが前方に伸びリーチが長い傾向がありますのでサイズが出やすいです。
自然界で77ミリの採集例がある様で飼育ギネスを狙えるのは、壱岐産しかいないかもしれません。
※因みに野外採集品のギネスの認定は、生きた状態ではなく、標本にして展足した状態で行われますので乾燥により、1ミリ以上縮んでしまう事が多いそうです。
2017年に入荷した天然のメスを産卵させて以下のエサ交換リレーで羽化させました。
・1本目(2017年11月4日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在は遮光クリアボトルタイプ500ccへ仕様変更)
・2本目(2018年2月11日、終齢):無添加マットボトル850cc(現在は遮光クリアボトルタイプ800ccへ変更)
・3本目(2018年6月14日、終齢):同上
→11月12日に既に蛹になっていたのを確認したので4本目の交換無しです。
この種類に与える菌糸ビンは、ブナではなく、クヌギの方が大きく育つ様です。
終齢で暴れ(菌床の掻き混ぜ)で激縮みをしてしまう可能性が高いので、上記のとおりエサの切り替えを行っています。
マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットのボトル詰め商品の事です。
添加剤を一切使用せずに発酵させた昆虫マットなのでボトル内で発酵ガスや発酵熱が発生しないので幼虫に優しく、食い付きもバツグンです。
持ちが良いので4ヶ月間引っ張り倒すズボラ気味の飼育で大型化させました。
ノコギリクワガタの終齢は、大型のオスでも12から15グラム前後にしかならならず、交換回数が増えるとストレス痩せを起こした際に大きなサイズロスに繋がってしまいます。
そこで低ストレス、低刺激の環境でできるだけ手間を掛けない方法が良策だと個人的に考えています。
放置プレーの様に感じる方も多いかもしれませんが無添加虫吉幼虫マットは、死亡率が低い事が最大のメリットなので問題ありません。
因みに幼虫のエサのマットは、ボトルに固く詰め込んだ方が緩みにくいので確実に交換頻度を落とす事ができます。
詰め込みが弱すぎると肥大化した蛹室を作ってしまい寝返りを打てずに羽化不全やアゴの変形(アゴズレ)のリスクが高まりますので注意が必要です。
来年の羽化情報もご期待ください。