週明けの福岡県福津市は、暖かい過ごしやすい晴れの天気です。
朝晩の寒暖の差が激しいですが本格的な春の訪れまでもう少しです。
今回は、先週行ったゴトウヒラタクワガタの産卵のセットの割り出しの様子と数日後(日曜)に行った菌糸ビン入れを紹介したいと思います。
画像は、12月下旬に組んだゴトウヒラタ若松島産の産卵のセット(産卵木をセッティングした容器の略称)をひっくり返した様子です。
既に二齢まで育っていました。
※なお、マットに発生しているクモの巣の様な白い物は、原材料の朽ち木から出た菌糸なので飼育の問題はありません。
今回使用した飼育用品は、下記の通りです。
・飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)
・昆虫マット:産卵専用(菌床配合)
・産卵木:クヌギLLサイズ
※エサは、ホワイト高タンパクゼリーやプロゼリーなどの合成保存料が入っていない国産のタンパク質強化タイプが産卵に適しています。
※本来ならクヌギ材Mサイズを2本使うと良いのですが今回は、在庫の都合でLLサイズ(通称、爆産材)を使用しました。
・産卵木の販売コーナー>>
卵(右)と初齢(左)です。
マイナスドライバー(工具)を用いて朽ち木の表面を少しだけ削ってみると、いきなり幼虫が出てきました。
因みに左の小さな幼虫が初齢、右の大きな幼虫が二齢です。
※初齢→二齢→終齢と脱皮を繰り返す度に頭部(オレンジ色の部分)が何倍も大きくなり、それに伴い体長も大きく育って行きます。
こちらは、朽ち木から出てきた初齢です。
爆産の雰囲気がプンプンと漂ってきました。
流石、ヒラタクワガタ爆産材(クヌギ材LL)です。
少し割り進んで行くと大量の食痕(幼虫が食い進んだ痕)と幼虫が出て来ました。
※画像の上の方の穴(凹み)の中にも幼虫がいました。
朽ち木を細かく割ると「潰し」のリスクも上がるので真っ二つに割ってみました。
※因みに今回の割り出しでの潰しはゼロです。
食痕の数が半端ない状態です。
朽ち木の中心付近(芯)に食い込んでいた幼虫です。
※良い食いっぷりです。
朽ち木の反対側の面を割った様子です。
朽ち木の中身は、クズクズに食い尽くされており、原型を留めることが出来ません。
朽ち木の芯の中からも小さな初齢がでてきました。
割り出した後のマットや朽ち木の割カスの中には、卵や小さな幼虫が残っている可能性が高いので元の容器に戻しておくと良いです。
※卵もこの中に埋め戻しておくと勝手に孵化します。
約4週間から1ヶ月後に再びひっくり返して幼虫を回収すると確実です。
なお、割カスを入れた容器には、種類や産地などの情報と割り出した日付を記載しておくと完璧に管理ができます。
割カスは、野外に廃棄しないでください。
環境や生態系の破壊に繋がる恐れがあります。
今回の割り出し結果です。
42匹の幼虫に加え、割カスに戻した卵を合わせると最終的に50匹前後の数になると思います。
一時管理用のカップ(60cc)には、無添加虫吉幼虫用マットを固めずに入れて保管して、外傷や異常の有無を見極める為に4から7日ほど養生させてから二齢から優先的にブナ菌糸ビン550ccに投入します。
カップには、幼虫管理用のラベルを貼るスペースが無いのでビニールテープかマスキングテープに幼虫の種類や産地などの情報と割り出し日を記載して1個(1匹)ずつ貼っておくと管理ミスを防げます。
ここからは、割り出しから4日経過して行ったボトルへの投入の様子をお伝えします。
まず、投入する際の注意点をお伝えします。
▲上は、ブヨブヨ病と呼ばれる病気に感染してしまった幼虫の参考画像です。
画像の様に半透明になっている幼虫は、菌糸ビンやマットボトルに入れずにカップの中で暫く様子をみてください。
飼育容器内のバクテリアや微生物の環境が悪化したことにより、目に見えない真菌の仲間が増えて幼虫の体内に侵入してしまった事が原因とされています。
※幼虫の腸内に入り込んだ真菌は、栄養吸収器官を破壊したり、優良な腸内細菌のバランスを壊して栄養吸収を阻害して幼虫を致死に至らせると言われています。
脱皮して間もない幼虫との見極めが難しい場合もありますので、その際はカップに戻して3から4日ほど成長させてから確認すると良いです。
画像は、健康な二齢です。
※ブヨブヨ病の幼虫の写真と見比べると一目瞭然です。
菌糸ビンに幼虫を入れる際は専用シャベルで表面に穴を掘って幼虫を入れると楽です。
※画像の菌糸ビンは、旧製品のブナ500cc(乳白色ポリボトル)です。
現在は、ブナ遮光菌糸ビン500cc(遮光クリアボトルタイプ)へ商品の仕様変更が発生しています。
穴に幼虫を入れます。
上から菌床のオガクズを軽く埋め戻して完了です。
※後は自分で潜って行きますので押さえつける必要はありません。
3ヶ月後の交換でどれくらいの大きさになっているか楽しみです。