ヤエヤマノコギリクワガタ(西表島産)の産卵セット(ケース)の幼虫割り出し

3月最初の投稿です。

徐々に気温が上がり、土手の草むらから沢山のツクシが顔を出していました。

今回は、先週行ったヤエヤマノコギリクワガタ(西表島産)の産卵セット(産卵木を埋め込んでセットした容器)の割り出しを紹介したいと思います。

※この種類は、台湾の種類に近い存在で知られています。

産卵セットをひっくり返した様子

画像は、昨年の12月28日に組んだセットをひっくり返した様子です。

メスを投入してから既に2ヶ月が経過していますが卵と初齢に加え二齢の姿も見えます。

冬は、暖房で産卵専用ルームの温度管理を行っても朝晩の冷え込みで微妙に温度が安定しないので効率が悪くなります。

●今回、使用した主な飼育用品は、下記のとおりです。

・飼育容器:コバエ防止飼育ケース(中)

・マット:産卵用4リットル

・産卵木(朽ち木):クヌギMサイズ

・エサ:国産プレミアム昆虫ゼリー(合成保存料などの添加物が一切入っていないので安心です)

詳しい繁殖方法を紹介した記事>>

卵の画像です。

こちらの画像は、マットの塊の中から出て来た卵です。

回収して管理すると孵化率が落ちるので割カスと一緒に元の容器に戻して4週間ほど経過してから幼虫を回収します。

幼虫の成長過程>>>

小さな初齢と二齢

朽ち木に付着した残土を取り除くと小さな初二齢が出てきました。

初齢と二齢の比較画像

この種類は、日本に生息するノコギリの中で最も小型の種類ですが、初齢(画像、左)と二齢(画像、右)のサイズを比べると1回の脱皮で大きな差が出る事が分かります。

スプーンでカップに移動

小さな初齢は、指で摘まむと潰す恐れがあるのでエサ交換用のスプーンでカップに移動させると良いです。

朽ち木の中の二齢。

朽ち木をマイナスドライバー(工具)で真っ二つに割ってみると食痕(食べた痕)と共に大きく育った二齢が出てきました。

割りカスを保管

幼虫や卵は、非常に小さいので1回の割り出しで全てを回収する事厳しいです。

なので割りカス(使用したマットと朽木片)は、画像の様に元の容器に戻して4週間から1ヶ月ほど保管してから再び容器をひっくり返して幼虫の有無を確認すると良いです。

※前述のとおり、出てきた卵も割りカスの中に埋め戻しておいた方が管理が楽で孵化率も高いです。

容器には、後から何の種類かわかるようにテープやメモに種類や産地などの情報と割り出し日を記載しておくと確実に管理ができます。

32匹の割り出し結果

今回の割り出し結果は、32匹でした。

※割りカスの中に埋め戻した卵を加えると最終的に40匹前後の数になると思います。

カップにマットを入れます。

割り出した幼虫は、1匹ずつカップに入れて4から7日ほど傷などの異常の有無を確認する為に養生させます。

※カップの中には、無添加虫吉幼虫用マットを固めずに入れています。

なお、カップには、管理用のラベルを貼るスペースが無いので1個(1匹)ずつ種類や産地などの情報を記載したビニールテープやマスキングテープを貼っておくと確実に管理ができます。【面倒でも1個ずつ貼る必要があります。】


週明けに菌糸ビンに投入したので紹介します。

健康な二齢の画像

画像は、割り出しから数日経過した健康な二齢です。

ヤエヤマノコギリは、二齢から菌糸ビンに入れても大きく育ちます。

なので二齢まで育った確実に健康な物から優先的に投入すると良いです。

菌糸ビンに穴をあけます。

クヌギ菌糸ビンの方が大きく育ちやすいので今回は、初齢や二齢に最適な550cc(現在は遮光クリアボトルタイプ500ccへ仕様変更)を使いました。

菌糸ビンに穴を空ける際は、専用シャベルがあると便利です。

まず、画像の様に幼虫が入る程度の穴を空けます。

穴に投入

エサ交換用のスプーンを用いて穴の中に入れます。

埋め戻してフタを閉める

入れた後は、軽く埋め戻してフタを閉めるだけで大丈夫です。

菌糸ビンは、使用、未使用に関わらず、約3ヶ月で劣化してしまうので次回は5月下旬から6月上旬に掛けて無添加マットボトル850cc(現在は遮光ボトル800ccへ仕様変更)へ切り替え予定です。

このリレーの方が、持ちの関係で4ヶ月に1回の交換頻度で済むので交換頻度を落とせます。。

春の羽化や繁殖のシーズンも近づいていますので面白い情報があれば紹介したいと思います。