九州南部の梅雨入りが発表され、いよいよ本格的な採集品の季節が近付いています。
今回は、昨年の梅雨に自己採集したノコギリクワガタから産まれた子供が羽化していましたので紹介したいと思います。
画像は、5月中旬に羽化したばかりの本土ノコギリクワガタ(福岡県福津市産)73ミリの超特大サイズのオスです。
※手に乗せてみると大きさが伝わります。
過去に何度か70ミリを羽化させていましたがパーソナルベストを大幅に更新する大物です。
先ほどの個体をノギスで尺寸している画像です。
現時点では、73ミリを大きく超えて74ミリに近いサイズです。
採集品でもなかなかお目にかかれない迫力の大きさです。
昨年の初夏に採集したメスを産卵させて得られた幼虫を下記のエサ交換リレーで羽化させました。
・1本目(2018年9月26日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在はクヌギ遮光タイプ500ccへ仕様変更あり)
・2本目(2018年12月27日、終齢):無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光ボトル800ccへ仕様変更)
→2019年5月7日に既にサナギになっているのを確認したので3本目の交換無しです。
なお、2本目への投入時の体重は、たったの12グラムだったのでマットボトルでのズボラ飼育中に肥大化した事が分かります。
2本成りの超早期羽化で73ミリなので昨年12月にリニューアルした虫吉マットの火力が半端ない事が分かります。
★菌糸ビンからマットへの切り替え理由は、終齢での暴れ(菌床のかき混ぜ)による縮み防止と交換頻度を落としてストレスを無くして大型化させる為です。
マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットをボトルに固詰めした虫吉オリジナル商品の事です。
添加剤を一切使わずに発酵させたマットにつき、ボトルに強く詰め込んでも有機物の腐敗による発酵ガスや発酵ガスが発生しないので幼虫に安心です。
持ちが良いので超固詰めの状態ならノコギリクワガタの場合、確実に4ヶ月に1回の交換で済みますので交換頻度を落としてストレス痩せのリスクを軽減できます。
新しいマットボトルに幼虫を投入の際は、下記の方法での温度慣らしをお勧めします。
詰めた直後や到着したばかりのマットボトルは、環境の変化で微生物や菌類、土壌性バクテリアが落ち着いていません。
※画像のボトルは、終売につき、現在は遮光クリアボトル(茶色いボトル)800ccに商品変更が発生しております。
この状態で幼虫を投入すると極端に落ち着きが悪くなって潜らずに上に出てくる事が多くなり、ストレス痩せの原因になってしまいます。
そこで画像の様に飼育ルームの温度環境にてサーキュレーターや扇風機で弱風(微風)を当てたまま2から3日ほど温度慣らしを行なってから使用してください。
ボトルに風を当てる事で通気口から空気の循環が円滑に行われるので土壌菌や微生物の落ち着きも早くなります。
潜った幼虫が直ぐに上に出て来る時も同様の方法で改善可能です。
幼虫への小さな気配りが大型個体に育って応えてくれる事があります。
70ミリに準ずるサイズがもう1匹羽化していたので紹介します。
画像は、5月上旬羽化の本土ノコギリ(福岡県福津市産)69ミリの特大のオスです。
綺麗な大歯型の水牛でアゴと胴体の長さのバランスが良い個体だと思います。
先ほどの個体をノギスで尺寸している画像です。
69.8ミリで限りなく70ミリに近い個体です。
こちらも先ほどの73ミリ同様、昨年の初夏に採集したメスの子供に当たります。
エサ交換リレーは、下記のとおりです。
・1本目(2018年8月25日、二齢):クヌギ菌糸ビン550cc(現在は遮光タイプ500ccへ変更)
・2本目(2018年12月24日、終齢):無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光タイプ800ccへ変更)
→2019年4月11日にサナギになっているのを確認したので3本目の交換無し。
本土ノコギリ及びその亜種は、1本目だけクヌギ菌糸ビンを与えた方が明らかに大型化しやすいです。
因みに2本目への交換時の体重は、10グラムでした。
こちらも2本目で早期羽化の大型個体です。明らかに無添加虫吉マットで伸びています。
2本目からのエサの切り替え理由は、前述のとおりなので省略致します。
今回紹介した2匹のオスの大きさの比較です。
左が69.8ミリ、右が現時点で約73.7ミリです。
約4ミリの違いですが大きさの差は歴然です。
他の種類のノコギリでもパーソナルベスト超えが羽化していますので機会があれば来月に紹介したいと思います。