6月の中旬が終わろうとしていますが九州北部は、まだ梅雨入りしておらず採集も苦戦気味です。
今回は、5月後半に羽化したクワガタの大型個体の紹介をしたいと思います。

画像は、5月下旬最新羽化のクロシマノコギリクワガタ71ミリオーバーの超大型サイズのオスです。
勿論、虫吉のパーソナルベスト更新です。
この大きさになると体やアゴの太さが際立ちます。

ノギスを当てて測定してみると71.5ミリ前後の大きさがあります。
赤みが強くて綺麗な個体です。
この個体は、下記のエサ交換リレーで羽化させました。
- 1本目(2018年3月5日、二齢):クヌギ菌糸ビン500cc
- 2本目(2018年7月2日、終齢):無添加虫吉マットボトル800cc
- 3本目(2019年1月15日、終齢):同上
→4月10日に前蛹(サナギに変化する直前段階)になっているのを確認したので4本目の交換なし。
いつもの様に2本目からは、終齢での菌糸ビンの暴れを避けて、じっくりと大きく育てる為にマットボトルへの切り替え飼育を行いました。
また、マットの方が持ちが良いので交換頻度(回数)を落とせてストレス痩せを軽減できます。

マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットをボトルに超固詰めでプレスした虫吉オリジナル商品の事です。
添加剤を一切加えずに発酵させた昆虫マットにつき固く詰めてもボトル内で有機物の腐敗による発酵ガスが発生しないので幼虫に安心です。
加えて持ちが良いのでボトルに固く詰め込んでおくとクロシマノコギリの場合、4ヶ月前後、交換せずに済みますので掘り出し時のストレス痩せのリスクを軽減できます。
今回は、2本目を半年くらい引っ張っていますが25度以上の環境で飼育の場合は、マットの劣化が早まるので早めの交換が必要です。
固詰めマットボトルでのズボラ飼育は、お化けサイズが出やすいの最高です!
続いては、その他の種類の大型個体を紹介したいと思います。

こちらは、5月下旬羽化の本土ヒラタクワガタ(宮崎市産)70ミリの大型個体です。
宮崎産は、通算で2匹目の70ミリオーバーです。
70ミリを超えると独特の迫力があります。
昨年の夏に入荷した天然のメスを産卵させて採取した幼虫を下記のエサ交換リレーで羽化させました。
- 1本目(2018年9月2日、二齢):ブナ菌糸ビン500cc
- 2本目(2018年12月2日、終齢※投入時22g):無添加虫吉マットボトル800cc
→4月5日に前蛹になっているのを確認したので3本目の交換無し。
こちらも前述の理由で2本目からは、マットボトルへ餌を切り替えています。
イメージ的には、1本目で菌糸を与え確実に終齢まで育てて、2本目から即マット飼育です。
※ヒラタの大型個体を狙う際、1本目はブナが絶対にオススメです。
その他にも70ミリを大きく超える個体が羽化していました。

画像は、5月下旬羽化の本土ヒラタ(福岡県福津市産)71ミリの超大型個体です。
※因みに福岡県産の70ミリオーバーは、数え切れないくらい羽化させていますが71ミリを超えると難易度が少し上がります。
こちらは、昨年の夏に自己採集したメスを産卵させて生まれた幼虫を羽化させた個体です。
エサ交換リレーは、下記のとおりです。
- 1本目(2018年8月24日、二齢):ブナ菌糸ビン500cc
- 2本目(2018年12月2日、終齢※投入時21g):無添加虫吉マットボトル800cc
→4月8日に前蛹になっていたので3本目の交換なし。
今回の2匹の70ミリオーバーは、省エネタイプの2本成りで羽化しました。
今年の夏は、大型個体や自己ベスト更新サイズが羽化しそうな予感がします。
初めまして
国産ノコギリをこよなく愛するものなのですが、去年からブリードを始めたのでノコギリのブリードについてよく分かっておりません…
そこで相談なのですが、夏のみ常温飼育だとして、できるだけ幼虫期間を伸ばして大型化させるためにいつ頃に産卵セットを組むのが良いか分かりますか?
ちなみに我が家では去年30度を超えることはありませんでした
これから予定してる種類としてはアマミノコとイヘヤノコを予定してます
元気様
コメントありがとうございます。
基本的にノコギリクワガタは、活動のタイミングや天然採集品の入荷のタイミングで夏の産卵セットで秋に割り出す事が多くなると思います。
常温飼育で真冬の温度が低すぎると加齢速度が落ちてしまいますので闇雲に低温にして幼虫期間を長くしても大型化しにく場合もあります。
初二齢を低温で冬眠させると真夏の気温上昇で成長の遅れを取り戻すように一気に加齢(成熟)して伸びない可能性もあります。
※虫吉では、幼虫のみ年中20度前後の温度で管理しています。
当店では、1本目の菌糸ビンで一気に終齢まで育ててから2本目からマットへ切り替えて終齢期間を長くする事で大型個体を育てています。
ノコギリクワガタの終齢は、交換時(掘り出し時)のストレスと真夏のエサ交換で大きなストレスで大きく痩せてしまうので注意が必要です。
大型個体コツは、5月以降のノコギリクワガタ関連のブログ記事で詳しく説明しています。
因みにサーキュレーターによる空気循環を始めてからパーソナルベストの更新頻度が上がっています。
是非参考にしてみてください。
回答ありがとうございます
色々な所を見ていて思ったのですが、イヘヤノコやクメジマノコ、ヤエヤマノコなどの小型種は菌糸が勿体ないとありましたが、それは菌糸とマットに差がないだけで実際にはほんの少しでも菌糸の方が大きくなったりするのでしようか?
元気様
コメントありがとうございます。
確かに小型種の場合、大型個体が羽化しても他の種類よりも小さいので菌糸が勿体無いという表現が頻繁に使われていると思います。
※大型個体でも60ミリ台ですのでオオクワガタ等と異なり、エサや個体による大きなサイズの差が発生しません。
当店の場合は、ノコギリクワガタの2本目で菌糸を使う事が無いのですが1本目だけでも菌糸ビンを与えて早く終齢に育ててマット飼育へ移行した方が交換回数を減らせてスムーズに育っている様に思います。
終齢での菌糸ビン投入は、暴れのリスクが高まり逆に小型化してしまう場合もあります。
むしきちマットボトルで奄美ノコギリ、久米島ノコギリが羽化したのですが、このまま越冬したほうがいいですか?
こうちゃん様
いつもお世話になっております。
コメントありがとうございます。
ノコギリクワガタの仲間は、気温や季節など飼育環境、個体差によって夏を挟むと早期活動(羽化して数ヶ月で活動)を起こしてしまう事が多いです。
マットボトル内で新成虫を管理される場合は、活動を起こしていないか注意深く見守る必要があります。
冷温庫をお持ちの際は、羽化して1ヶ月ほど経過した時点で20度以下で冷やすという方法で年内の活動を抑える事が可能だと思います。
宜しくお願い致します。
ありがとうございます🎵
ヒラタを毎年部リードしてます。
一本目はブナが推奨なんですね…。毎年そちらからクヌギを買ってました。今年は一本目からブナで飼育してみます。
因みに、毎年10匹弱の♂が成虫化してますが、クヌギ550→マット800で概ね67~68㎜で、最大では70㎜が限界といった感じです。
オリセー様
いつもお世話になっております。
コメントありがとうございます。
九州産といえど70ミリの難易度は、かなり高いので少数精鋭で確実に成果を出しておられると思います。
当店での飼育環境(20から23度の空調管理)の場合だと1本目にブナを与えた方が明らかに一回り大きな幼虫が出ておりますので是非お試しください。
宜しくお願い致します。
横レス失礼します。
虫吉さんのご指摘通り、終齢での二本目は、途中から暴れました。
交換後一か月くらいは大人しかったのが、二か月目に入ってから、食痕が縦横無尽に走り出し、嫌な予感がして、マットに切り替えるため掘り出したところ、二本目投入時より僅かですが減ってました。
試してみたかったとは言え、やっぱりプロの言うことを聞いておけばよかったと後悔しました。
大型化させるために菌糸に入れても、虫自身が限界を知っているのかなと感じました。
虫に負担なく、無事羽化してもらうためには、人間も責任を持ってあげなくてはいけないと思いました。
TKMK様
コメントありがとうございます。
切り替え飼育は、最初の1本目だけ菌糸ビンを与えて早く終齢まで育ててマットボトルで交換頻度を落としてじっくりと育てるといった感じになります。
※最初だけ火力を上げて、終齢からは火力を落とすイメージです。(最後まで火力を上げたままだと暴れやすいです。)
生き物の飼育は、絶対的な理論が存在しないのでより安全で確実に育つ方法を色々と試してみられても面白いと思います。
宜しくお願い致します。
ヒラタを毎年ブリードしてます。北九州在住です。
一本目はブナ菌糸が推奨なんですね…。今までクヌギを使ってました。この5年位、最大でも70mmがやっとという感じでしたので、今年はブナで挑戦します。
因みに550クヌギ→800クヌギ→マットで、概ね65~70mmです。800をブナに変えたことはありますが、有意な差はありませんでした。天然メスからのスタートだったので、血統的な限界かと思い込んでました。
オリセー様
いつもお世話になっております。
度々のコメントありがとうございます。
実は、幼虫のサイズは、最初の1本目で大半が決まってしまいますので2本目で菌糸ビンを与えない方法(マットへ切り替え)でも70ミリを超える事が多いです。
天然採集品の場合は、より大きな個体を親虫に使用すると大型の因子を持っている事があります。
飼育環境にもよると思いますが是非、1本目のブナもお試しください。
宜しくお願い致します。