気が付くと11月も残り2日になり、1年が過ぎるのが早く感じる今日この頃です。
今回は、10月中旬から11月上旬にかけて羽化したノコギリクワガタの仲間の大型個体を紹介します。
まず最初に11月上旬羽化のパーソナルベスト更新のクメジマノコギリクワガタ64ミリ超えの大型個体を紹介します。
この種は、アゴが太短く、横幅があるので自然界でも65ミリを超えるオスの採集例がありません。
但し、内歯の第一、第二歯が離れて発達するので独特の力強さが有ります。
奄美や徳之島と異なり久米島には、カブトムシが生息するので競合出来る様に独特の進化を遂げているのかもしれません。
ノギスを当てて測ってみると約64.8ミリ(限り無く65ミリに近いサイズ)でした。
昨年の夏に入荷した天然採集のメスを産卵させて得られた幼虫を下記のエサ交換リレーで羽化させました。
飼育温度は、約20から22度前後です。
- 1本目(2018年10月14日、初齢):ブナ菌糸ビン550cc(現在はブナ遮光タイプ500ccへ仕様変更)
- 2本目(2019年1月31日、終齢13グラム):無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光タイプ800ccへ変更)
- 3本目(2019年8月2日):同上
2019年10月中旬にサナギになっているのを確認→11月2日羽化。
終齢での菌糸ビンの暴れ防止と交換頻度を落として大きく育てる為に何時もの様に菌糸ビンからマットボトルへ切り替えました。
本来、マットボトルは、4ヶ月に1回の交換がベストなのですがボトル詰めの人手不足で半年も引っ張ってしまいました(汗)
マットボトルとは、無添加虫吉幼虫用マットをボトルに超固詰めした商品の事です。
無添加なので固く詰め込んでも通常の添加発酵マットと異なり、腐敗時のガスや熱が出ないので安心です。
加えて持ちが良いのでノコギリの仲間は、4ヶ月に1回の交換頻度で大丈夫です。
今回の個体は、来月頃に出品できると思います。
画像は、10月中旬羽化の種子島産ノコギリクワガタ71ミリの超特大サイズです。
分類上は、ヤクシマノコギリになりますので一応、ギネス更新サイズです。
種子島産もアゴが太いですが屋久島産に比べてアゴの湾曲が緩やかな個体の出現率が高い様に思えます。※勿論、湾曲が効いた個体も発生しますが。
先ほどの個体をノギスで測った画像です。71ミリを大きく超えています。
昨年の夏に入荷した天然採集品のメスで産卵セットを組んで生まれた幼虫を下記のエサ交換リレーで羽化させました。
- 1本目(2018年11月23日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc(現在は遮光タイプ500ccへ変更)
- 2本目(2019年2月18日、終齢13g):無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光タイプ800ccへ変更)
→2019年8月27日に蛹室(サナギの部屋)を作って前蛹になっていたので3本目の交換無し。
エサの切り替えの理由や概要は、冒頭の個体で既に紹介していますので省略します。
こちらは、近日中に販売できます。
こちらは10月20日に羽化したアマミノコギリクワガタ78ミリの超大型個体です。
日本最大の水牛タイプの種類で前述の2種と異なり、アゴの内歯の第一、第二歯がアゴの中央付近で一体化して大きく張り出して、水掻き状に太く見えるのが特徴です。
ノギスを当てて測定してみると78.8ミリ前後(限りなく79ミリに近いサイズ)でした。
こちらも昨年の夏に入荷した天然採集品のメスで産卵セットを組んで生まれた幼虫を下記のエサ交換リレーで羽化させました。
- 1本目(2018年8月29日、二齢):ブナ菌糸ビン550cc(現在は遮光500ccへ変更)
- 2本目(2018年12月2日、終齢22グラム):無添加虫吉マットボトル850cc(現在は遮光800ccへ変更)
- 3本目(2019年7月11日、終齢):同上
→2019年9月8日に前蛹(サナギの前段階の幼虫)になっていたので4本目の交換無しです。
エサの切り替え理由は、既に説明済なので省略します。
冒頭の個体の説明のとおり、今年は人員不足でマットボトルの交換が著しく遅れてしまい糞食をさせてしまいましたが本来は、4ヶ月に1回の交換がベストです。
今年も残り僅かになりましたが、面白い情報があったら紹介したいと思います。
大きいです!!!
虫吉さんが育てたノコギリはどの子も大きくて本当に尊敬します!!
疑問があって、幼虫期間が長い方が大きくなると聞いたのですがどうなんでしょうか?
時々そんなに幼虫をしてなくても特大個体が羽化しているというのを見ると他にも要因があるのかな?と思っています
今の私のブリードサイクルとしては小型ノコギリで9月頃に投入した個体が7月頃には蛹化を始めるという予定です。夏場のみ常温になってしまうせいですが、小さいノコギリでももっと幼虫期間を伸ばした方が大型が狙えるのでしょうか?…
元気様
いつもお世話になっております。
コメントありがとうございます。
大型化しやすくなる要因の答えは、ブログの記事にも記載していますが2本目で菌糸ビンを用いずに持ちが良い無添加虫吉幼虫用マット(ボトルに超固詰め)で交換頻度を減らしている部分だと思っております。
幼虫は、交換時に外気に触れたり環境が変化するとストレス痩を起こします。
かと言って交換しないとエサの劣化や糞食で生育に支障が出ます。
なので少しでも持ちが良いエサを用いる事が重要だと思っています。
イメージ的に1本目の菌糸ビンで大きく育つ素質を持った終齢まで育ててしまえば、無添加虫吉マットで交換頻度を落としてじっくりと大きく育てる感じです。
あと、飼育ルームは、扇風機かサーキュレーターで常に空気が動いている状態に保ってください。
空気が動く事でボトル内にも十分な空気が行き渡り、ボトル内の菌類(幼虫の糖質源)や目に見えない微生物(幼虫のタンパク源)が安定して増えると思います。
※これらが安定するから無添加でも大きく育ってくれると考えています。
宜しくお願い致します。