
今回は、2024年6月10日に福岡県福津市内で自己採集した天然ノコギリクワガタを約5ヶ月後の11月7日に産卵セットを組んで2025年1月25日に割り出しを行った結果を紹介します。
※個人的な趣味で野外品を年越しをさせて長寿飼育にチャレンジする予定でしたが、11月になってもコンディションが良かったので産卵をさせてみました。
商品のクワガタ同様に親虫は、採集した日から11月まで18℃以下の低温環境の建物で管理をして、お盆休み中も含めプロゼリー16gを餌切れしない様に与え続けました。
ただし、20℃以下だとコンディションの維持ができても温度が低すぎて産卵しません。
なので産卵時のみ20から23℃の別の環境の建物に移して飼育管理をしましたが、朝晩の冷え込みで産卵速度が鈍化してしまいセットから2ヶ月半後の割り出しになってしまいました。
産卵方法は、至ってシンプルでコバエ防止飼育ケース(中)に無添加虫吉産卵専用マットを入れて木製マットプレスで固めただけです。

商品ページ内にも詳しく説明していますが、マットを詰める際は、2リットルくらいを複数回に分けて押し固めて高さ10センチ前後の固い層を作ると良いです。

今回の産卵セットの容器をひっくり返した様子です。
因みに12月28日頃に親メスを取り出しましたが、この時点で未だ卵が多かったので1ヶ月ほど放置していたら終齢幼虫まで育っている物もいました。
※余談になりますが、メスは、先月末まで生きていました。

固めたマットを少し壊してみると二齢と終齢幼虫が出てきました。
すでに爆産の気配がプンプンします。

出てきた幼虫を餌交換用スプーンを用いて一時管理用カップに移し替える様子です。
クワガタの幼虫は、皮膚が柔らかくデリケートなので指で摘んでしまうと潰す恐れがあります。

クワガタの多くは、オスよりもメスの方が小さい分だけ成長や加齢の速度が早いです。
今回の割り出しで出てきた終齢は、殆どがメスでした。
因みにメスの幼虫は、画像の様に背中側の腰の辺りに左右一対の白いメス痕があります。

マットの塊から卵も出てきました。
ノコギリクワガタは、温度や環境によって卵の期間が異常なほど長い場合もありますので孵化する可能性があります。

マットの中からは、小さな初齢幼虫も出てきました。
今回は、4匹の初齢が出てきましたが、孵化して間もない物もいましたので、先程紹介した卵も孵化する可能性が高いです。

マットの塊を更に砕くと初齢から終齢までの各段階の幼虫が出てきました。
説明が遅れましたがマットの塊を砕く際は、手袋をした方がクッションの役割をして手の怪我を予防するだけでなく、幼虫の潰しのリスクを軽減できます。

出てきた幼虫を左から初齢、二齢、終齢の順番で並べた様子です。
孵化した幼虫は、2回の脱皮を繰り返して終齢まで育ち見違える様な大きさになります。

今回の割り出し結果です。
左から終齢が7、二齢が25、初齢が4、卵が4の合計40匹の爆産でした。

マットには、卵や小さな幼虫が残っている可能性があるので再び元のケースに戻して約1ヶ月後にひっくり返して幼虫の有無を確認してから家庭ゴミとして廃棄してください。
※割り出し時に出てきた卵も埋め込んでおくと勝手に孵化しますので1ヶ月後に幼虫で回収予定です。

カップには、無添加虫吉幼虫用マットを固めずに入れて3から7日ほど保管して異常がない事を確認してからボトルに入れると良いです。
割り出し直後の幼虫をボトルに入れてしまうと潰しや外傷が発生していた場合、直ぐに死んでしまい餌のロスが発生するので上記の日数だけ様子を見る事をお勧めします。

▲割り出した幼虫は、超固詰めマットボトル800ccを推奨します。
※無添加虫吉幼虫用マットだからこそできるオリジナル商品です。
ボトル詰め最初の工程で特殊な機械によるボトル内側の壁面周辺のマットに数百キロ(1トンに近い)の強い圧が掛かっていますので緩みにくく、確実に4ヶ月間交換無しの放置プレー(ズボラ飼育)ができます。
※中心付近は、人力を越える強い圧が掛かっていない(手詰めのパート)ので酸欠が発生しません。
(国産ノコギリクワガタの場合、初二齢での1本目なら食べる量が少ないので問題ありません)
交換回数を減らす事で幼虫へのストレスを軽減できるので初めての方でも飼育がシンプルになります。

幼虫の入れ方ですが、まずボトルの蓋を開けてスプーンで端っこの部分に幼虫が入る穴を掘ります。
※初二齢の場合、幼虫のサイズに合わせて軽く解して窪みを作る感じで大丈夫です。

カップの幼虫を取り出してスプーンで掬い入れる様に窪みに入れます。

幼虫に軽くマットを被せて埋めます。(潰すので押さえる必要はありません。)
この状態で蓋を閉めて4ヶ月経過してから次の交換を行います。
飼育温度は、20℃から23℃くらいを推奨していますが、真冬のエアコン管理が厳しい場合は、常温でも大丈夫です。
クワガタは、暑さに弱い夏の昆虫なので25℃を超える環境を避ける必要があります。