里山のセミ図鑑
里山で見かけることが出来るセミの仲間を紹介したページです。
※このページは、里山の昆虫を紹介する為の図鑑です。
セミの取り扱いは御座いません。
●ニイニイゼミ
カメムシ目 セミ科
大きさ・・・30から40ミリ
成虫の活動時期・・・6から9月
北海道、本州、四国、九州、沖縄
6月の中旬頃から他のセミよりも少し早く姿を見せる小さなセミ。
梅雨に入り気温が上がり始める頃から桜や街路樹に止まり「ニィ~、ズィー」もしくは「チッチッチ」という独特の声で鳴く。
樹皮の様な褐色の体色は、忍者の様に外敵から見付かりにくくするのに役立っている。
幼虫の抜け殻は、小さくて丸く泥が付着しているのが特徴。
また低い場所で羽化する事が多い。
初夏の日没後に木の根元で孵化している姿を見掛ける。
●アブラゼミ
カメムシ目 セミ科
大きさ・・・50から60ミリ
成虫の活動時期・・・7から9月
北海道、本州、四国、九州
7月の梅雨の半ば頃から「ジージー」という声で鳴く茶色いセミ。
桜の木に大量に止まっている姿を良く見掛ける。
名前の由来はジィージィーという油が煮えたぎる様な鳴き声である事や油で揚げた時の音に似ているという説が有力である。
理由として鳴き声を名前に付けにくかった為だと考えられる。
このセミは夜間に街灯などの明かりに反応して鳴く事が有り灯りにも集まる。
平地から少し標高が低い雑木林などにも生息しており昼夜を問わずよく見掛ける事が出来る。
近年は、温暖化の影響でクマゼミの生息域が急速に広がっておりテリトリーの問題が懸念されている昆虫です。
●クマゼミ
カメムシ目 セミ科
大きさ・・・60から65ミリ
成虫の活動時期・・・7から9月
北海道、本州、四国、九州、沖縄
7月の夏休みに入る頃から「シャーシャーシャーシャー」という声で鳴く日本最大級の黒いセミ。
人によっては鳴き声が「ワシ、ワシ、ワシ、ワシ」とも聞こえるので『わしわしセミ』とも呼ばれる。
大きくて黒い体にに太い前脚を持つ事を熊に例えてクマゼミ(熊蝉)と名付けられた。
平地の街路樹や公園、神社の木などに大量に止まっている姿をも掛ける事が有る。
九州や西日本ではミンミンゼミよりも個体数が多く最もポピュラーなセミ。
近年は温暖化の影響で東日本を北東方向に分布を広げ、関東や東北南部まで生息する様になりミンミンゼミのテリトリーを脅かす存在になりつつある。
また若干標高が高い場所で住み分けをしているアブラゼミのテリトリーでも以前まで見掛けなかったクマゼミの姿を見る様になった。
地球温暖化による生態系の変化の象徴的な昆虫として近年注目を集めている。
●ツクツクボウシ
カメムシ目 セミ科
大きさ・・・約40から45ミリ
成虫の活動時期・・・7から10月
北海道、本州、四国、九州
早ければ7月の終わりに発生し、8月のお盆の頃から9月に個体数が増える秋を告げるセミ。
細身でやや小型の黒くて緑の斑紋があるのが特徴。
「ツクツクボウシ、ツクツクボウシ・・・ツクウィーヨー」という複雑なリズムで鳴く。(この鳴き声が名前の由来)
秋が近付き他のセミがいなくなった時に発生のピークを迎える事からアブラゼミやミンミンゼミと発生時期をズラしていると思われる。
里山の短い秋を横臥する様に元気に鳴く。