クワガタの人工蛹室の作り方
サナギ |
前蛹 |
クワガタの幼虫のエサ交換の際に誤って蛹室を完全に壊してサナギや前蛹(サナギの前段階)を外に出してしまったり、マット上面に出て来て蛹化した際の対処方法の解説です。
用意する物は、至ってシンプルです。
先ず最初のアイテムは、ホームセンターや100円均一ショップの園芸コーナーでも販売されている生け花用スポンジ【オアシス】です。
次は、コバエだけでなく乾燥も最小限まで防ぐ事が出来る飼育ケース(ミニ)です。
その他にカッターナイフ、交換用スプーン、ティースプーンを用意します。
それでは、具体的な人工蛹室の作成方法を紹介します。
1、生け花用スポンジ(オアシス)のパッケージを開けて出します。
2、スポンジ(オアシス)をBeケース(ミニ)に収まる大きさに合わせてカッターナイフで適度な大きさにカットします。
3、スプーンを使ってスポンジにサナギの大きさに合わせて軽く跡を入れて下書きをします。※加水段階で拡張可能ですので若干小さくても構いません。
4、下書きに沿って少しずつスプーンで削って掘って行きます。
小型の種類やメスの場合は、ティースプーンを用いると良いです。
5、底の部分や細かい箇所は、小さなティースプーンで少しずつ削って行きます。
若干深めに掘ってください。
少し削り跡が粗くても問題は御座いません。
6、上手く削り終わったらBeケース(ミニ)に入れます。
7、スポンジに加水します。
水道水は塩素等の消毒剤が入っていますので出来ればミネラルウォーターか浄水器の水の方が安全です。
スポンジが吸水しきれなくなるまで水を含ませます。(スポンジの下から水が出てくるので直ぐに分かります)
8、幼虫飼育用スプーンを使って穴にサナギを入れます。
※実は、加水後のオアシス(スポンジ)は指で押さえると簡単に造形出来るのでサナギの大きさに合わせて微調整(拡張)が可能です。
9、サナギを入れた際のイメージです。
※今回は参考写真の為に急遽小さなノコギリの仲間のサナギを使ったので少し人工蛹室が大き過ぎましたが実際のサナギの大きさを見比べながら作成すると簡単です。
岩手県にお住まいのお客様から頂いたミヤマのメスの人工蛹室の画像です。
メールとお電話でお問い合わせを受けて、作成を方法をお伝えしたのですが初めてにも関わらず非常に上手く作っておられましたので紹介します。
Beケース(ミニ)にフタをして羽化を待ちます。
最初からスポンジに十分な水分を染み込ませておくと特に加水の必要も無く無事に羽化しました。
上記の説明は、あくまでも緊急時の対応策です。
死亡や羽化不全(蛹化不全)の恐れが御座いますので絶対に意図的に蛹室からサナギを取り出さないでください。