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クワガタの成虫は冬眠させた方がお得?

日本には、本土以外に沖縄や南西諸島にも沢山のクワガタが住んでいます。

巷では、夏だけで死んでしまう寒さに弱い昆虫と勘違いをされやすいです。

実は寒さに強い事と冬眠させた方が長く生きてお得な理由を気候や環境、野外での活動の例で説明したいと思います。

冬場の里山の昆虫たちは、飼育下と比べ物にならないほど寒く雪が降り積もり、凍り付く様な環境で冬を越します。

よって飼育下ではヒーターや暖房器具で暖めなくても元気に冬を越してくれます。


では、沖縄や南西諸島、日本海側の種類は、どうなんですか?というお問い合わせをいただく事が有りますが、答えは『低温で冬眠させる』です。

壱岐や対馬の種類は、極寒の日本海の朝鮮半島に近い寒い地域に生息しているので耐寒性があります。

沖縄や南西諸島の種類は、熱帯雨林の冬眠しないクワガタと勘違いをされやすいですが実は本州、四国、九州と同じ温帯の気候に属する地域も数多く存在します。

温帯気候は、四季が有り冬場は冷え込みます。

※トカラ列島の悪石島と宝島の中間あたりに温帯と亜熱帯の気候の境界線が有ります。

沖縄は、亜熱帯(熱帯と温帯の中間)ですが世界地図上では、どちらかというと温帯寄りです。

真冬の沖縄は20度を超え無い事も有り、少し肌寒い時もあります。


上記の事から沖縄や南西諸島の種類も現地では1年を通して活動している訳ではなく、本州、四国、九州と同じで梅雨入り前後から秋まで活動して越冬出来る種類は冬眠に入ります。

※沖縄南西諸島は梅雨入りが早いので4月頃から徐々に活動を開始した後、10月下旬頃から翌年4月(地域によっては3月)くらいまで約半年近く冬眠する事になります。

前述の様に地域を問わず、活動せずに冬眠(休眠)している期間が半年前後有ります。

梅雨明け前後からの活動になるので日本全国、何処でも昆虫採集は夏休みの風物詩です。


四季が有る日本のクワガタは、冬眠する事で長く生きる事が出来ると言っても過言では有りません。

仮に冬場に人為的に温度を上げて1年中活動させてしまうと休眠期間が無くなり早く死んでしまう事が多くなります。

単純計算で自然界の2倍活動させる事になるので早く寿命を全うします。

南西諸島や沖縄の種類も室内常温(暖房が効いていない状態)で冬眠させる事をお勧めします。
何日も長期間5℃を下回らなければ普通に冬眠をします。

冬眠中は、カチコチになってエサも食べませんがクワガタにとって良い状態です。

可哀想だと思って加温すると逆に早死にしてしまいます。