夜になると急に活発に動いたり飛び回るのは何故?『夜行性』と『走光性』について

クワガタが夜になると急に活発に動き始めたり、場合によっては容器の中を飛び回って心配されたり驚かれる方も多いと思います。
そういった疑問を解説していきたいと思います。


先ず、よく知られている事ですがクワガタやカブトムシは『夜行性』(夜に活動する)昆虫です。
理由として2つの事が考えられます

・天敵の鳥獣(主にカラス等の鳥類)のエサにならない様に鳥が活動しない時間帯に活動する為。
※その為に体の色が黒主体の茶褐色(赤褐色)の種類が多いです。

・もう一つの理由は、単純に暑さを避ける為です。
※前述のとおり、黒い色の体色は兎に角暑くなりやすいです。

勿論、飼育下でも明るい時間帯や気温が高い時間帯は余り動かずに夜になると別人の様に活発に動き回ります。


最近、急にお問い合わせが多くなった事があります。
それは、「異常に飛び回る」「冬眠せずに動き回る」といった感じの内容です。

長年疑問に思いながら過ごしていましたが最近、照明器具を交換したところ偶然に原因が判明しました。
色々と試してみましたが近年の照明技術の進化により、電球に大きさに関係なく強い光を発する物が多くなりクワガタが小さな灯りにも反応して飛び始める様です。

クワガタは、夜間『(正の)走光性』(光に向かって近付く)昆虫です。
その為、夜間(暗い時間帯)に一定の波長の光に向かって動き始めたり飛び回ったりします。
人類の文明が進化する前迄は、夜間の光と言えば月の明かりだけでしたが現在は人工的な光で満ち溢れています。

皆様も家のベランダや網戸付近、自販機や街灯(水銀灯)の下でクワガタやカブトムシを見つけた記憶をお持ちかもしれませんが「虫が光に集まる」とは、走光性という特徴があるからです。

飼育下でも夜間に照明が当たったり、窓から街灯の明かりが入る場所に飼育容器を置かれた際に異常なくらい飛び回る事がありますので暗くて静かな場所での飼育をお勧めします。
照明だけではなくオーディオや家電の待機電源のランプにも反応する事があります。
LEDランプに虫が集まらないと言うのは根拠が無い情報で実際は集まる種類の方が多いかもしれません。
※虫が来ないLEDランプは、特定の波長をカットした光が出る様に加工してあります。
また小さな常夜灯(豆電球)にも反応する場合もあります。

飛ぶ飛ばないは、雌雄の差や個体差が大きいですが確実に光に反応して行動しています。
※勿論オオクワガタも例外ではありません。
因にメスの方が若干飛行性が高いです。