カブトムシやクワガタはキノコ(菌床や菌床が腐った木)が大好きな昆虫です。
私達は30年以上前の小学生の時にこのことに気付き、学校にも登校せずにシイタケの廃材や放置された大木を叩き割ってクワガタを採集していました。
冬場でも冬眠中の成虫が採集できることに感激して、思わず学校を不登校、先生に「クワガタを採りに行っていました。」と不登校の理由を話しても「冬場から虫がおるかい!」と叩かれていました。(笑)
私達は、これらの二種類の昆虫の生態とキノコの関係を調べる為に虫吉のドングリの森の一角でシイタケ栽培をした事があります。
少しご紹介させて頂きます。
丁度、温度的にホダ木からシイタケが出ています。
管理にもよりますが、大体、シイタケを植菌してから1年から1年半くらいからシイタケが出始めます。
クワガタが大好きなシイタケをはじめとするキノコの活動の寿命は約2年です。
大まかですが、キノコが出始めてある程度成熟したころ(キノコが出る様になってから1から2年目くらい)からメスが産卵に訪れます。
実際に寿命が近い4年物のシイタケの廃材を見てみます。
中を少し割って見るとコクワガタの幼虫が出てきました。
ちなみに自然界のクワガタは成虫になるまでに1年半から2年掛けて成虫になっています。
寿命が近くなったキノコの廃材から無事に羽化して出て行った後に今度はカブトムシがやって来て産卵をします。
ご存知のお客様は多いと思いますが、カブトの幼虫は大食漢でこれらの腐植土を全て食べ尽くし、土にしてしまいます。
一見すると栄養が無さ そうな朽ち木や腐葉土を食べて幼虫が大きく育つメカニズムは、キノコの菌糸や土壌菌を 腸内バクテリアの力を借りて糖質に変換して朽ち木や土に1割ほど付着しているとされる自然由来のミクロの微生物(土壌分解生物)を食べて動物性タンパク質を同時吸収しているからです。
●菌糸(土壌菌)と微生物のバランスが良い環境は、幼虫が大きく育ちます
この様に幼虫は自然界の遺物(倒木や枯れ木)をキノコ→クワガタ→カブトムシと力を合わせてリレーで繋ぎ、土に近づける分解という大きな役割りを持っています。
そして、出来上がった栄養価が高い土を作り上げ新たな緑の誕生を促しています。