◆エサと飼育容器に関する質問◆
Q-1-4、小さな幼虫の管理方法とボトルに入れるタイミングを教えてください。
Q-1-9-ア、育て方の参考例を教えてください(オオクワ編)
Q-1-9-ウ、育て方の参考例を教えてください(ノコギリ編)
Q-1-10、菌床や菌糸ビンにブナとクヌギがあるのですが違いは何ですか?
Q-1-13、昆虫マットに白い線虫の様な生き物が発生しましたが大丈夫ですか?
Q-1-14、菌糸ビンの側面に水滴が溜まってますが大丈夫ですか?
Q-1-17、使用済みの飼育容器(ボトル)の再利用は可能ですか?
Q-1-18、昆虫マットに白や褐色のカビの様な変色が見られますが?
Q-1-19、菌床ブロックを自分で詰めましたが白くなりません。
◆飼育環境やその他の質問◆
Q-2-5、エサ交換の時に以前使っていた古いエサを新しいエサに混ぜると良いと聞きましたが?
Q-2-6、幼虫の体重を量りたいのですが、どうやって測定するの?
Q-2-8、無事に羽化しましたがどうしたら良いですか?(ボトルから出す時期について)
Q-2-10、サナギや前蛹になってますがエサ交換は必要ですか?
A、自然界でのクワガタの幼虫は、主に朽ち木や腐木土を食べています。
飼育下では、これらの環境を再現する為のエサとして幼虫用の昆虫マットや菌糸ビンという物があります。
栄養価も高く、与える事で大きく育てる事が可能です。
A、菌糸ビンは、生きたキノコの菌床がボトルに詰められている商品で栄養価あが高く、成長速度が速いのが特徴です。
中身が生きたキノコの菌につき、劣化も早く、高温に弱いので25℃以下に温度管理を行う必要があります。
一方、マットは、価格も安価で劣化も遅く、3から4ヶ月に1回の交換で済むので手軽に飼育したい方にお奨めです。
また、幅広い種類の飼育に適しているのもメリットの一つです。
A、クワガタの幼虫は、気性が荒いので1つの飼育ケースで沢山の数を飼育してしまうと共食いをしたり傷付け合ってしまいます。
生き物(命)につき、大切に飼育する為に1匹ずつボトルやビンで飼育します。
A、産卵セットから採取した生まれて間もない幼虫は、先ず一時管理用のカップに入れて保管します。
約4から7日ほど外傷などの異常の有無を見極める為、その状態で養生させます。
その後、二齢幼虫から優先的に菌糸ビンやマットボトルに入れると良いです。
※オオクワは、初齢から入れても大丈夫です。
A、交換タイミングは、白い部分が無くなった状態か幼虫を入れてから3ヶ月経過してからとなります。
菌床は、中身のオガクズを生きたヒラタケ(食用キノコ)の菌が絶えず分解しています。
なので使用、未使用に関わらず2から3ヶ月で劣化してしまいますので見た目が綺麗な場合でも交換の必要があります。
ボトルの容量は、3ヶ月以内に食べ切る事ができるサイズを選ぶと良いです。
A、ボトルの外見から食べた量を判断できません。
外見上の問題が無くても木屑の分解(劣化)が進んでいます。
最低でも3~4ヶ月に1回を目安に交換を行なってください。
※幼虫の大きさやボトルの容量によっては、少し早めの交換が必要な場合があります。
A、飼育する種類にもよりますがお好みで選んで頂いて大丈夫です。
飼育ルームをお持ちで年中エアコンで20から25度の一定の温度管理が可能でしたら菌糸ビン飼育をお勧めします。
そうでない方は、菌床の劣化や交換回数の増加によるコスト面の問題からマット飼育をお勧めします。
当店では、1本目だけ菌糸ビン550ccを与えて次の交換からはマットボトル850ccへの切り替えをお勧めしています。
A、ボトル内には、絶対に水を加えないでください。
元々、幼虫飼育ボトルは、水分が蒸発しにくい構造になっていますので水を加えてしまうと劣化や窒息の恐れがございます。
通常どおりの飼育でしたら約3ヶ月毎の交換になりますのでカラカラに乾燥してしまう事は殆ど有りません
A、・マット飼育の場合・・・オオクワマットを使います。(木製プレスを用いて850ccボトルに固く詰め込みます)
※25gを大きく越える終齢は、1500ccボトルの方が良いです
初齢から終齢までの幅広い年齢の幼虫に対応できます。
交換タイミングは3~4ヶ月前後で大丈夫です。
但し、大きなオスの幼虫の場合は、食べる速度も速いので様子を見ながら2~3ヶ月での交換をオススメします。
上記の作業を蛹室(サナギの部屋)を作り始めるまで繰り返します。
・菌糸ビン飼育の場合・・・成長過程や用途に応じた容量の物を使います。
※交換タイミングは、白い部分が7割ほど無くなった状態か、投入から3ヶ月前後経過した時です。
最初の一本目は、初齢もしくは二齢の段階でクヌギ550ccに入れます。(若齢から投入しなければ威力を発揮出来ません。)
2本目は、クヌギ850ccで大丈夫です。
2本目への交換の際に終齢になっていれば雌雄の判別が可能になっている場合があります。
性別をラベルに記載しておくと管理しやすくなります。
3本目以降も引き続き850ccで大丈夫です。
オスの30グラム前後の終齢は、1500ccをお勧めします。
上記の事を蛹室を作るまで繰り返します。
※温度管理ができない場合は、終齢まで育った時点でマットボトルへ切り替えるという方法もございます。
★ブヨブヨ病という致死率100%の病気があるので身体が透き通っていない幼虫を見極める必要があります。
A、 ・マット飼育の場合・・・マットボトル850ccを使用します。
投入のタイミングは、頭の大きさが3ミリ以上で、丸まった時の大きさが1円玉台~以上(二齢~終齢幼虫)になります。
交換タイミングは3~4ヶ月前後に1回の間隔で大丈夫です
大きなオスの幼虫の場合は、食べる速度も速いので様子を見ながら2~3ヶ月での交換をお薦めします。(離島産ヒラタの大きな終齢の場合は1500ccの方が良いです)
上記の作業を気温が上がって蛹室を作り始めるまで繰り返します。
比較的、幼虫期間が短く早く蛹になります。
・菌糸ビン飼育の場合・・・ 成長過程や用途に応じた容量のボトルを使います。
最初の一本目は、二齢幼虫(頭の大きさが約3~5ミリ、丸まった時の大きさが1円玉)の状態でブナ550ccに入れます。
※終齢は、効果が得られにくいのでマット飼育の方が無難です。
以降は、白い部分が7割ほど無くなった状態か、投入から2から3ヶ月前後で次のブナ850ccに交換します。
終齢成熟期(黄色みを帯びた状態)で菌糸ビンに入れると暴れ(掻き混ぜ行動)を起こしてしまい逆に小さくなることが多いです。
2もしくは3本目からマットボトル850ccへの切り替え飼育をお勧めします。
※大型の離島産ヒラタのオスの場合は、1500ccが適しています。
最初の1~2本目で一気に成長を加速させて終齢でエサを切り替える事で短期間で大型個体が育ちます。
A、 ・マット飼育の場合・・・マットボトル850ccを用います。
投入のタイミングは、頭の大きさが3ミリ以上で、丸まった時の大きさが1円玉台~以上の大きさ(二齢幼虫~終齢幼虫)になります。
他の種類よりも細身で一回り小さいですが十分な大きさの容器で飼育しないと大型個体が出にくくなります。(オスの幼虫で10gを越えると水牛が出て来る可能性が高くなります。)
蛹室を作るまで3~4ヶ月に1回の交換を行います。
※離島産の大型のオスの幼虫は1500ccの方が適しています。
・菌糸ビン飼育の場合・・・成長過程や用途に応じたボトルを使います。
最初の一本目は、二齢幼虫(頭の大きさが約3~5ミリ、丸まった時の大きさが1円玉)の状態でブナもしくはクヌギ550ccに入れます。
※終齢幼虫では、効果が得られないのでマット飼育を推奨します。
以降は、白い部分が7割ほど無くなった時か投入から3ヶ月経過したら次の850ccに交換します。
終齢になると菌糸ビンで暴れ(掻き混ぜ)を起こして逆に小型化したり、羽化不全などのトラブルが多くなりやすいです。
2もしくは3本目からは、マットボトル850ccへの切り替えをお勧めします。
A、ミヤマクワガタの幼虫は、自然界では堆積した腐木土に生息している事が多く菌糸ビンでは育ちません。
飼育方法は簡単で二齢から無添加虫吉マットボトル850cc投入するだけです。
蛹室を作るまで約3から4ヶ月に1回の間隔で交換を行います。
低温飼育の方が大型個体が狙いやすいです。
また成虫同様、高温に弱いので出来るだけ涼しい環境で飼育する必要があります。
>暑さに弱く、寒さに強いという性質上、夏は25℃以下、冬は寒い場所(加温無し)をお勧めします。
冬場に加温飼育を行うと潜らずに上に出てくるトラブルが多くなるので避けてください。
また、初夏から夏の気温が高い季節のエサ交換時も同様のトラブルが発生しやすくなります。
4から5月に交換を済ませて秋になってからの交換をお勧めします。
幼虫期間が長いのでメスが1年で羽化するのに対し、オスが2年以上掛かってしまう事が多々有ります。
A、クヌギもブナも自然界でクワガタが育っている木なので大きな違いはありません。
使用する種類や拘りで選ぶと良いと思います。(どちらでも大きく育ちます。)
クヌギは、標高が低い場所に植生しているので強い日差しや雑菌(病原体)から身を守る為にタンニンと呼ばれる渋味(赤茶色の色素)の含有量が多い事で知られています。
※因みにタンニンは、番茶や焙じ茶にも含まれている成分で毒ではありません。
タンニンにより、ヒラタケ菌によるオガクズの分解速度が遅くブナに比べて劣化し難い(水っぽくなりにくい)と言われています。
一方ブナは、高山植物なのでタンニンが少なく菌が早く活性する反面、オガクズの分解が早いので直ぐに劣化する(水っぽくなったり、黒くなりやすい)とされています。
新鮮なうちはキノコの菌が活性して栄養価も高いので大きく育つのですが直ぐに劣化して水っぽくなってしまうので菌糸ビンの持ちは悪くなります。
当店が取り扱っている商品の場合、クヌギがオオクワやコクワ、ブナがヒラタやノコギリが大きく育ちやすいです。
参考程度にお考えください。
A、使い切れずに余った場合、常温で保管すると時間と共に菌によるオガクズの分解で劣化が進んでしまいます。
冷蔵庫で低温保管を行うとある程度の長期保存が可能です。
ただし、幼虫にとってよりベストな状態を保つ為に出来るだけ3ヶ月以内に使い切っていただく事をお勧めします。
A、外見からは、糞やエサの減りが解り難い場合もあります。
但し、時間の経過と共に劣化が始まり本来の性能を発揮出来なくなったり、糞だらけになっている事もあります。
健康に育てる為には、投入から3から4ヶ月に1回の頻度でエサ交換を行なう必要があります。
A、3から5ミリの白くて細いミミズの様な生物は線虫の可能性があります。
少し気味が悪い姿ですが人体や幼虫には害はありません。
生態系の中では、分解者と呼ばれるグループの生き物で、主に朽ち始めた木屑を土に戻す役割りを果たしています。
飼育下では、含水率が高い場合や古くなって泥っぽくなった時に発生します。
劣化が進んだ泥状の環境では、幼虫が育たないので早急な交換が必要です。
A、高温下での飼育の際に菌床の白い皮膜とボトルの間に黄色い水滴(遊離水)が溜まる事が有ります。
菌床は、高温に弱いので出来れば25℃以内の温度での飼育を推奨しております。
また、冬場にヒーターの近くや過度な加温をしてしまうと乾燥と劣化が進んでしまい水滴が溜まる場合もあります。
A、幼虫を投入後、中心付近の見えない場所に居座ってエサを食べている事が高確率で発生します。
「居食い」と呼ばれる状態で、見えないからと言って死んでしまっている訳ではないのでご安心ください。
エサ交換の時に見えないと思っていたら急に大きな穴が空いて真ん中だけを食べて大きく育っている事もあります。
また、真ん中でサナギになっている事もあるので交換時は注意してください。
A、1本で飼育可能な匹数は、1匹だけです。
1本のボトルの中に何匹も幼虫を入れてしまうと噛み付き合って死んでしまい可哀相な結末に終ってしまいます。
残酷なので絶対に行なわないでください。
A、はい、使い終わった幼虫飼育用のボトルは洗浄して再利用可能です。
但し、菌床ブロックを詰める場合のみアルコールで消毒される事をお勧めします。
ボトルのフィルターが破れたり汚れた場合はコバエとカビ防止の為に交換をお勧めします。
・フィルターパットはコチラです。>>>
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A、多くの場合、朽ち木(シイタケ等のタケ菌のホダ木)や菌床が原材料として使用されています。
気温や湿度などの環境でそれらのキノコの菌糸が出て来る事があります。
その際、上の表面部分や側面が白や茶褐色(黒っぽくなる事も)に変色する事があります。
但し、飼育には問題は御座いません。ご安心ください。
誤って水を加え過ぎた場合は、底の部分が赤褐色に変色する事があります。
その際は酸欠による嫌気性発酵(劣化)が起こっていますので交換をお勧めします。
A、ブロックをご自身で詰められて白くならない時は、下記の事が考えられます。
・温度管理を行なっていない場合:20から24度の一定の温度で管理しなければ失敗します。
・強く詰めすぎ:固く詰めると酸欠を起こして菌が死滅します。
・フタの穴が小さすぎる:キノコの菌は、生き物です。沢山の酸素が必要です。
・二次添加を行ってしまった:ブロックを砕いた際に添加剤を入れると雑菌が混入してカビる場合もあります。
・消毒が不十分:詰める前にボトルや道具をアルコールで消毒して綺麗に拭き取ってください。
菌床は、生き物なので環境面や使用上の注意が必要です。
A、幼虫が潜らずに出て来る理由は幾つかあります。
多くの場合は、温度が高過ぎる事や通気性が悪い環境での飼育が考えられます。
また、添加マットを使用の際に再発酵を起こした際にも同様の事が発生します。
解決策としましては、エアコンと送風機(サーキュレータ)などを用いて常に空気が循環する涼しい環境での飼育をお勧めします。
温室や箱状の容器にボトルを入れない様にしてください。
気温が上がり始める5月以降にエサ交換を行うと極端に落ち着きが悪くなる種類もいますので4月に交換を行う事をお勧めします。
前蛹の状態で掘り出した際も潜れませんので人工蛹室を作成する必要があります。
A、暑さに弱いので直射日光が当たらない風通しの良い室内で飼育を行います。
日本の里山に生息する種類の場合、寒さに強いので早く羽化させたい場合を除いて特に温かい部屋で管理する必要は有りません。
※但し、外国産の多くは、25℃前後の温度管理が必要です。
A、直射日光や高温が苦手なので幼虫、成虫を問わずベランダや屋外での飼育に適しません。
特に真夏は、30℃を超える高温下だと死亡の原因になるので屋内の冷房が効いた場所で飼育する必要があります。
A、高温に弱いので30℃を越えない環境で飼育してください。
ボトル内の温度が30℃を超えると死んでしまうので真夏は、冷房で20から25℃前後の温度管理をお勧めします。
日本の種類は、寒さに強いので室内の常温(暖房の影響が無い場所)での飼育で大丈夫です。(氷点下にならなければ問題ありません)
但し、温度が下がると冬眠して成長が止まるので大型個体を狙う場合は、20℃前後の一定の温度管理をお勧めします。
外国産の場合は、種類に応じて20から25℃の温度管理が必要です。
A、幼虫も気温が下がって来ると徐々に食べる速度が落ちて冬眠します。
但し、気温が低くてもエサの劣化が進んでしまいます。
また、思ったよりも糞が多くなっている場合もあります。
綺麗に見えていても3から4ヶ月経過した物は交換する必要があります。
寒い時期でも交換を怠ると上手く成長出来なかったり病気や衰弱の原因になります。
A、確かにこの質問に関しましては、バクテリアの持ち越しで良いという意見も御座いますが、当店では以下の理由でお勧めしません。
先ず菌糸ビンを使われる場合においては、古い菌床の一部を入れる事によりカビや雑菌の混入で劣化が早まるリスクがあります。
また、古い菌床は、小さな粉状のダニ(コナヒョウヒダニ)の発生を誘発してしまう場合もあります。
マット飼育の場合も同様にダニやコバエ等の雑虫の他に線虫の発生を招いてしまう事もありますのでお勧めしません。
その他にも雑菌(真菌)による病気のリスクも上がります。
A、幼虫の測定は電子計量器を用いると測りやすいです。(ホームセンター等で販売されている安い物で構いません)
計器は糞で汚れやすいのでラップを敷くと良いかもしれません。
A、一般的にオスの方がメスよりも頭部や体が大きくなる傾向が有ります
終齢(三齢)まで育つとメスの幼虫のお尻から腰に掛けての部分の左右に白っぽい斑紋が現れ始めます。
殆どの種類に当てはまりますので比較的簡単に判別可能です。
A、自然下では、秋に羽化すると越冬して翌年の初夏~夏に活動をする場合が多いです。
但し、飼育下では、天候や温度変化の影響を受けにくいので早く活動を開始する事が有ります。
出来ればメスは羽化後1ヶ月程度、オスは大きさにもよりますが1から1ヶ月半程度で成虫用の飼育ケースに移してあげてください。
放っておくと突然活動を起してフタを齧ってアゴが折れてしまったり、衰弱や餓死の原因になってしまいます。
特に春先から初夏に羽化した個体は、夏に合わせて早く活動を開始する傾向が強いので注意が必要です。
少し翅が柔らかくても成虫用昆虫マットに潜っている状態でしたら死んでしまう事はありませんので早めの対応をお勧めします。
A、はい、日本に生息している種類でしたら自然界よりも室内の方が暖かいので常温飼育が可能です。
※南西諸島や離島産の種類の場合は、出来れば5から10度前後で飼育してください。
A、サナギや前蛹になる際に必ず蛹室と呼ばれる空洞を作ります。
蛹室が確認できた時点でエサ交換を避けてください。
蛹室を壊すと羽化出来なかったり死んでしまう事が有ります。