里山で見かけることが出来るバッタの仲間を紹介したページです。
●マツムシ
バッタ目 コオロギ科
大きさ・・・18~34ミリ
成虫の活動時期・・・8~11月
本州(東北以南)、四国、九州(沖縄及び離島にはいない)
秋の夜にススキやカヤ等の草むらで綺麗な音色で鳴く『秋の虫』の代表格。
形はスズムシに似るが、体は一回り大きく跳躍力の高さや何にでもよじ登る能力が特徴。
童謡では「チンチロ、チンチロ、チンチロチン」と歌われているが、実際には「ピッピッピッー、ピピピッピー」と異常に高い周波数の音色を奏でる。
秋の夜の草原に響き渡る甲高い音色。
自然界では、クズ(マメ科のツル草)の葉っぱのみを食べている。
産卵は、主にイネ科の植物の茎に行なう。
●クツワムシ
バッタ目、キリギリス科
大きさ・・・50~55ミリ
成虫の活動時期・・・8~10月
分布・・・九州、四国、本州(主に西日本に多い)
夏の終わり頃から秋の夜に雑木林周辺の草むらで「ガチャガチャ、ガチャガチャ」と大きな声で賑やかに鳴く『秋の虫』。
大型のキリギリスの仲間で地面や草の上をのしのしと歩き意外と動きは鈍い。
緑色と茶色の2パターンの色の個体が存在するが、別種では無く保護色である。
自然界では、クズの葉っぱやツユクサを主に食べている。
それらの植物が群生している場所に高確率で潜んでいる。
近年は、開発や竹林の拡大で徐々に数が減っている昆虫の一つ。
●キリギリス
バッタ目 キリギリス科
大きさ・・・29~39ミリ
成虫の活動時期・・・7~10月
本州、四国、九州(大きさや色の違いから、東日本の物をヒガシキリギリス、西日本の物をニシキリギリスと呼ばれる事が有る。)
夏に草むらの中で「ギース、チョン、ギース」という鳴き声でなく緑~淡い茶褐色の昆虫。
長い後ろ脚を利用した高い跳躍を備えている。
夏に発生のピークを迎えるので夏に鳴く虫のイメージが強い。
バッタと違って体が短くて高さが有る。
また、草食ではなく肉食で他の昆虫を補食する
脚も細く長い為にバッタよりも華奢な昆虫。
名前については、フランス語で「キリギリ」という声で鳴く「ス」=虫という意味と言う説も有ります。
また日本の古語では、コオロギがキリギリス、キリギリスがコオロギを表し現在の逆だったそうです。
※このページは、里山の昆虫を紹介する為の図鑑です。
キリギリスの取り扱いは御座いません。
●エンマコオロギ
バッタ目 コオロギ科
大きさ・・・26~35ミリ
成虫の活動時期・・・8~11月
北海道、本州、四国、九州
頭部に光沢と独特の茶褐色の模様が有る日本最大のコオロギ。
草むらや畑、公園や民家の周辺でも普通に見掛ける事が出来る昆虫。
オスは、翅を擦り合わせる事で大きな鳴き声で鳴く。
エンマコオロギはその鳴き声に最大の特徴があり、心地良いコロコロリーという「本鳴き」、求愛時にメスを誘うスローテンポの「誘い鳴き」、オス同士の縄張り争いの時の激しく短いキッーギッギッという「脅し鳴き」の3つのパターンで構成される。
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エンマコオロギの取り扱いは御座いません。
●オンブバッタ
バッタ目 オンブバッタ科
大きさ・・・20から40ミリ(オス20から25ミリ、メス40ミリ前後)
成虫の活動時期・・・7~12月
北海道、本州、四国、九州、沖縄
夏に入る頃から草むらや花壇、畑、空き地等でピョンピョン飛び回る姿を良く見掛ける事が出来る「とんがり頭」の小さなバッタ。
緑色の固体が多いが稀に赤茶色っぽい褐色の固体も存在する。
オスは、メスの半分程度の大きさで小さい。
メスの上にオスが乗っかる姿は、まるで親が小さな子供をオンブしている様に見える。(オンブバッタの名前の由来)
実は、背中に乗る事でオスが他のオスにメスを奪われない様に独占しようとしているという説が有力である。
このバッタの発生期間は長く、夏だけでは無く晩秋から初冬の気温が低い時期でも見掛ける事が出来る。
良く見掛ける事が出来るので子供にも見せてあげたい面白い習性の昆虫。
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オンブバッタの取り扱いは御座いません。
●ショウリョウバッタ
バッタ目 バッタ科 (ショウリョウバッタ亜科)
大きさ・・・オス40から50ミリ前後、メス75から80ミリ前後
成虫の活動時期・・・8~11月
本州、四国、九州、沖縄
頭部が尖った大型のバッタ。(形が似るオンブバッタとは別種)
体色は緑と茶褐色の個体が存在する。
オスはメスに比べて小型で飛ぶ時に「キチキチキチ」という音を発するので『キチキチバッタ』とも呼ばれる。
日当りが良い原っぱや田んぼの畦道、庭や公園でも見掛ける事が出来る。
>近付くと羽根を広げて驚くほど遠くまで飛ぶ。(風に乗ると10から20メートルは飛べる)
お盆の時期に発生して初盆の際に用いられた「精霊(しょうろう)船」に形が似ている事が名前の由来の一つとされる。
または、お盆=精霊の時期に姿を現すので精霊蝗(しょうりょうばった)と呼ばれる様になった説も有る。
イネ科の植物を主に食べる。
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ショウリョウバッタの取り扱いは御座いません。
●トノサマバッタ
バッタ目 バッタ科
大きさ・・・オス35から40ミリ、メス45から65ミリ前後
成虫の活動時期・・・7~11月
北海道、本州、四国、九州、沖縄
綺麗な緑色の体に茶褐色の羽根を持つ日本最大級のバッタ。
全身茶褐色の固体も存在する。
羽根には茶色や白っぽい斑模様がある。
地面でじっとしているが近付くと物凄い飛翔力で逃げる。
殿様の様にガッチリとした威風堂々の姿をしているのが名前の由来。
「ダイミョウバッタ」と呼ばれる事もある。
イネ科の植物を好んで食べる。
その為、それらの植物が群生している空き地や公園、河原、畦道等の乾燥した開けた場所にいる事が多い。
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トノサマバッタの取り扱いは御座いません。
●ツマグロイナゴモドキ
バッタ目 バッタ科
大きさ・・・32~49ミリ(オス32から42ミリ、メス45から49ミリ)
成虫の活動時期・・・7~10月
本州、四国、九州
夏から初秋に掛けて深い草むらや薮で見掛ける事が多い大型のバッタ。
一見、ツチイナゴに似るが後脛節(膝の部分)と翅の最後部の端が黒褐色になっている事から区別が可能。
オスは黄褐色、メスは茶褐色で羽根の縁に黄色いラインや脚に模様がある個体が多い。
「ツマグロバッタ」「ツマグロイナゴ」「ツマグロイナゴモドキ」など様々な和名が付いていて統一した名前で呼ばれていない紛らわし昆虫。
イナゴやイナゴモドキの仲間では無くトノサマバッタの仲間。
オス、メス共に後ろ脚で翅を蹴る様にして音を出す。
因みにこの種類を含めバッタの仲間は、メスの方が一回り以上大きい。
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ツマグロイナゴモドキの取り扱いは御座いません。
●カネタタキ
バッタ目 カネタタキ科
大きさ・・・7から12ミリ
成虫の活動時期・・・8~11月
本州、四国、九州、沖縄
夏の終わり頃から森や公園の他に庭先や畑の周辺でも見掛ける事が出来る小さな平べったい昆虫。
秋の鳴く虫の一種。
オスの背中には、退化した短くて小さな鱗状の羽根がある。(写真はメスなので羽根が無い)
オスは昼夜関係なく「チッ・チッ・チッ」という鉦(かね:仏事で使われる鉦鼓)を叩く様な一定のリズムで鳴く。
※勿論、この事が名前の由来である。
小さな体で樹上で鳴いている事が多く、何処からとも無く鳴き声だけ聞こえて姿を見付けるのが困難な昆虫でもある。
野外では、主に植物を食べている。
地域によっては農作物を食べる事があり害虫として扱われる事も有るらしい。
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カネタタキの取り扱いは御座いません。
●クダマキモドキ
バッタ目 ツユムシ科
大きさ・・・約45から60ミリ
成虫の活動時期・・・8から11月
本州、四国、九州
鮮やかな緑色をしたキリギリスの仲間。
羽根は綺麗な緑の葉っぱの様な色をしている。
平地や低山地の樹上にいる事が多く葉っぱを食べて生活している
名前の『クダマキ(管巻)』とは、クツワムシの別名で、似ている事から付けられている。
因みに「管巻」は機織りに使われる道具の事で形が似ている事から付けられているとされる。
オスは昼夜関係なく「ピチッ、ピチッ」という小さな鳴き声で鳴く。
実は、その他に良く似たかたちで小型の「ヒメクダマキモドキ」と前脚が赤褐色になっている「ヤマクダマキモドキ」の計3種類が存在する。
発生時期や大きさ、生息地などが若干異なる。
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クダマキモドキの取り扱いは御座いません。
●ヒシバッタ
バッタ目 ヒシバッタ科
大きさ・・・1センチ前後
成虫の活動時期・・・4~11月
北海道、本州、四国、九州、沖縄
春から秋に掛けて庭や公園、草むら、道路脇など草地であれば普通に見掛ける事が出来る小さな菱形のバッタ。
地上性が強いバッタで体色も土に似せて茶褐色である。
また模様の個体差が大きいので面白い。
後ろ脚を使った高い跳躍力が有るが翅を広げて飛ぶ事は無い。
年に数回発生して幼虫または成虫で越冬する。
地表の他に枯れ草の上や低い草の上にいる事が多いが小さくてピョンピョンと素早く跳ねるので意外に見付けにくい昆虫。
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ヒシバッタの取り扱いは御座いません。